大学研究室紹介

高知女子大学
生活科学部
環境理学科
地球科学研究室

 教授 大村 誠

大村氏 【研究室概要】
住所/高知市永国寺町5-15
電話/088-873-2436


 高知女子大学の環境理学科では、人間と環境との関わりについて教育・研究しており、この研究室は人間をとりまく環境のうち 最も外側の地球環境を担当します。関係する主な学会としては、日本測地学会と国際測地学協会(IAG)、日本地震学会、日本情報 地質学会、日本リモートセンシング学会、資源・素材学会があります。


大学研究室紹介 南海地震に関連する四国南部の地殻の動きを探る


データ受信・提供:METI/JAXA、データ配布:RESTEC
ソフト:JAXA/SIGMA-SAR processor
画像作成:高知女子大学地球科学研究室
 高い確率で今世紀前半に起こると推定される次の南海地震に対しては、高知の皆さんの関心が高まっています。この地震に向けて四国の地殻 (岩盤)がどのように変形していくかを研究しています。室戸岬の先端付近に東京大学地震研究所地震地殻変動観測センターの室戸地殻変動観 測所があります。総延長約150mのトンネルの中で、岩盤の「伸び縮み」や「傾き」を記録する装置がデータを日夜取り続けています。装置のそ ばを人が歩いたとき、人の体重で岩盤がへこむのが分かるほどの超高感度です。この観測で、太平洋の海底の岩盤(プレート)が四国南部の岩 盤を年々押し縮めていることがわかります。私達は、東京大学地震研究所、鹿児島大学との共同研究を行い、装置の保守・修理およびデータの 解析などを担当しています。さらに、広島大学、京都大学、高知大学、国土交通省国土地理院、産業技術総合研究所ほかと連携して、四国の地 殻の動きや井戸水・温泉などの観測・調査に協力しています。南海地震を含め、この地域の岩盤(地殻)の動きの特徴を明らかにすることが、 私達の長期的な目標です。地震防災・減災に関連した取り組みを、お手伝いできると思います。


大学研究室紹介 人工衛星や航空機から災害・地球環境変化を観測する

 この研究室で最も特徴のあるテーマは、宇宙空間を飛ぶ人工衛星から、数十km四方の範囲の地面や氷が数cmほど変形するのを、 面として一気に観測することができる、マイクロ波を用いた合成開口レーダー(SAR)技術の研究です。ここでは、東北地方の岩手山付近で 1998年に起きた地震にともなう地面の動きを虹色の縞模様で表した図を示します。

データ受信:JAXA、データ配布:RESTEC、
画像作成:高知女子大学地球科学研究室
大気中の水蒸気の影響が強く残っていますが、赤から次の 赤までの色の変化が約12センチの衛星と地面との距離変化(気象影響も含む)に相当します。日本の地球観測衛星「ふよう1号(JERS-1)」の SARで観測されたデータを、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発されたソフトを用いて解析したものです。この技術で、地震・火山活動によ る地面の動き、地盤沈下や地すべり、さらに南極の氷(氷床や氷河)の動きを観測することができます。また、航空機に搭載したSARによって、 桜島火山の地表変化も調べています。この分野での主な共同研究先は、熊本大学、九州東海大学、国立極地研究所、情報通信研究機構、宇宙航 空研究開発機構、京都大学防災研究所などです。さらに、「地球情報学に関するアジア太平洋大学連合」メンバーとして、香港理工大學(中国) やニュー サウスウェールズ大学(オーストラリア)などとの共同研究・交流を進めています。一方、従来から使われている人工衛星リモートセ ンシングの手法によっても地表の様子を調べており、その一例として、アメリカの地球観測衛星「ランドサット7号」からみた高知の画像を示 します。災害監視・環境モニタリング分野での、リモートセンシング技術(SAR、高分解能衛星、レーザースキャナなど)の応用について、お手 伝いできると思います。