企業提案型共同研究事業


テーマ 歯列矯正装置にセラミック薄膜をコーティング加工する技術の確立

チカミミルテック株式会社
●代表取締役千頭 邦夫
●共同研究者高知県工業技術センター材料技術部部長南 典明
高知県工業技術センター材料技術部主任研究員保科公彦

セラミックコーティングを施した矯正金属ワイヤー
セラミックコーティングを施した矯正金属ワイヤー
 現在歯列矯正装置は、操作性に優れ強度も強く、耐久性のあることから主に金属性の矯正装置が用いられている。しかしながら、その『金属色』が目立つ故に 矯正治療を躊躇している患者がかなりの数存在するといわれている。そこで、弊社は高知県工業技術センターのシーズである常温セラミックコーティング技術を 用いて、白色酸化チタンをコーティングし、審美性に優れた金属ワイヤー及びブラケットの開発を目指した。と同時に矯正装置部材の摩擦抵抗値の低減を探り、 且つ、セラミックコーティングすることによりプラスチック製ブラケットの接着力改善を図った。
 プラスチック製ブラケットの歯面への接着性改善については、顕著な接着力の向上は見られなかったが、接着力のバラつきの改善につながる結果であり、臨床 試験への期待を持てる見通しは得られたと感じる。又、審美性に優れた歯列矯正装置の開発においては、白くて密着強度の優れた金属性矯正装置の製品化には至 らなかったが、現時点では白色ではないにしろセラミックコーティングを施したワイヤーの皮膜が剥がれることなく十分に使用に耐えうる密着強度であることが 確認でき、製品化に向け今後の研究に期待をもてる結果であった。今後も研究・開発を継続し、白色セラミックコーティングワイヤーに注力し製品の実現化を目 指すことにする。


テーマ リサイクルボード(ポリカーボネート系)『オーパライト』の自動生産ライン構築 並びに品質特性向上の研究開発

株式会社山崎技研
●代表取締役山崎 道生
●共同研究者高知工科大学知能機械システム工学科 教授小林 和彦
松井 敏
長尾 高明
物質環境システム工学科教授福冨 兀

山崎技研
 記憶媒体としてのコンパクトディスクがオフィスや家庭からまた製造中の不良品として工場からも大量に廃棄されている。焼くか埋めるかされているが、塩化 ビニルなどと違い再生が可能な素材である。そこで現在多く床材に使われている塩ビ(Pタイル)との置き換えを考え基礎実験の後、工科大の指導のもと量産への 研究開発を行なった。加熱による分子量の変化の大きい素材であるため、万遍なく加熱、冷却する機構に神経を払う事とまた射出成形と違い金型内で材料が動か ない特質を利用して独特の紋様を目指し開発した。
 結果、リサイクルというコンセプトと色柄指定がOKと言う点が好まれてイオンショッピングモールに採用され、その後も複数の注文、引き合いを頂戴している。


テーマ 海洋深層水シャーベット氷による氷温貯蔵システムの開発

株式会社泉井鐵工所
●代表取締役泉井 安久
●共同研究者高知工科大学総合研究所教授横川 明
助手松本 泰典
助手池上 雅博
助手濱田 零華

海水シャーベット氷の製氷・貯蔵
海水シャーベット氷の製氷・貯蔵
製氷機
製氷機
 生鮮食品を氷温状態(冷蔵と冷凍の中間)の温度0〜約マイナス2℃で貯蔵すれば長期間にわたり生鮮食品の変質、微生物の増殖などがなく、新鮮な味や風味、 感触を保持できる。
 海水シャーベット氷は、海水の塩分濃度を変えれば生鮮食品の氷結点以上の温度に制御することができる。又、シャーベット状態から氷粒子が融けて海水のみに なる迄の間は、温度が一定に保たれる。この海水シャーベット氷の性状を活用して生鮮食品を長期間保存する氷温貯蔵庫を作ることが可能である。この考えをもと にして海水シャーベット氷用横型パドル式製氷機の試作・性能実験、海水シャーベット氷貯蔵庫の模型による保冷特性の把握、海水シャーベット氷の性状と生鮮食 品の鮮度保持との関係の調査等の研究を行った。
 本研究では、貯蔵タンク内の温度は、±0.2℃以下の誤差精度で管理できることが明らかになり海水シャーベット氷貯蔵庫と製氷機のシステムが構築でき、保 冷特性の把握から設計方法の確立を行うことができた。また実際にサバを使用した実験では、海水シャーベット氷は海水氷(海水+真水氷)に比して鮮度保持に有 効であることが確認できた。
 今後は、実地試験を行いつつ、商品化を進めて行く。


テーマ 農園芸用波長変換型蛍光フィルムの開発

東洋ケミカル株式会社
●代表取締役渡邊 敏彦
●共同研究者高知大学理学部教授吉田 勝平

東洋ケミカル
 病虫害を抑制して作物の生育を促進するフィルム、即ち紫外線吸収剤を含有するUVカットフィルムは実用化され施設園芸に使用されている。また、夜間の保温 性を確保するために、長波長側の光を吸収する赤外線吸収剤を練り込んだ農業被覆材もある。農園芸用フィルムによって太陽光の波長分布を調整し、作物の発芽、 伸長、開花などを自由にコントロールできれば収穫時期の調節や高品質化が達成できるので、更なる増収に結びつくことが期待できる。
 本研究では、共同研究者が開発した固体発光性色素を透明合成樹脂フィルムに溶解して、太陽光や人工光源の波長分布を簡便に調整できる発光型農園芸用光調整 フィルムの開発を目指している。新規な固体発光性の青色蛍光色素、赤色蛍光色素を樹脂に組み込んで、波長変換用蛍光フィルムを試作した(写真参照)。自然光 下で分光放射計を使用して試作した発光型フィルムの波長変換機能を測定した結果、青色蛍光フィルムおよび赤色蛍光フィルムともに期待通りの波長変換機能があ ることを確認した。今後は、波長変換効率や耐久性の改善を重点的に行い、農園芸作物の生長制御や品質管理に向けた実証試験を実施して作用効果を確認し、信頼 性のある農園芸用波長変換型蛍光フィルムとして完成させたい。県内の果樹、施設園芸用資材として、役立。