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機器のメンテナンスに関わる費用は製造出荷額の3%程度と大きく、その削減が重要です。特に回転機械の軸受損傷は製造ラインの停止に至るため、 損傷の早期発見と適切な保全時期の決定が重要となります。本診断法は軸受に取り付けたプローブから軸受とのはめ合い面に向かって超音波を送信し、 その反射音波の突発的振幅変化を観測して、異常を検知する方法です。軸受の損傷や摩耗粉の介在の識別ばかりでなく、その大きさや軸受への衝撃の 強さの情報も得られるため、軸受の余寿命予測の精度を上げることができ、効率的なメンテナンスができます。
超音波法を用いた転がり軸受の新しい潤滑診断技術 高知工科大学 助教授 竹内彰敏 (知能機械システム工学科)
軸受の運転異常を定量的に診断できる新しいシステムです。このシステムでは、従来のような振動や音響的な方法ではなく、S/N比の高い超音波法を用 いることにより、損傷や噛み込んだ摩耗粉の大きさ、転動体の支持荷重の変動を、定量的に測定できるようになります。これらの処理のために、専用の ビジュアルソフトを作成しましたので、保守点検作業の経験が少ない技術者の方でも、比較的簡単に異常の定量診断が可能になりました。図1は計測シ ステムの構成例で、図2は計測画面の一例です。このシステムで得られた、損傷と摩耗粉の大きさや頻度、転動体の支持荷重とその変動の情報は、軸受予 寿命の精度良い予測を可能にしますので、余裕を持ってメンテナンスの時期を決定できるようになります。
(a)装置への取り付け例 (b)プローブ設置部の詳細
図1 異常診断システムの例
図2 異常診断ソフトの計測画面の一例
例えば、図2の観測波形に含まれる微小な変化(この場合は軸受の損傷)も、図3のように感度良く検出し、損傷の幅や転動体が支持する荷重の変動 を捉えることができます。運転時間の経過に伴うこれらの変化の傾向を調べると、広く普及している振動法に比べて、より早期に異常の検知ができ、そ の後の進展過程も詳細に観測することが可能になりました。
図3 図2の観測波形から特定した損傷部