特許流通支援コーナー


 6月号では先月号に引き続き「職務発明・対価の見直しについて」のニュースご紹介と
「特許流通成功事例」(ベニカミキリフラスを有効成分とする皮膚外用薬)をご紹介します。

対価の見直し

 先月号では4月1日施行された「新職務発明」(特許法第35条改訂)及び最近の訴訟事例の一部をご紹介しましたが、今月号では国や自治体及び各企業の 「対価の見直し」対応事例について記載します。


1. 国・自治体・大学の事例
 機関名 内  容年 月
 1特許庁国家公務員の職務発明に対する補償金・支払限度額の撤廃2002/2
 2香川県特許取得の職員に奨励金5倍にUP2003/1
 3文部科学省国立大教官の発明報酬の上限撤廃2003/1
 4和歌山県発明職員の報酬大幅アップ2003/4
 5京都大学発明者に最大70%を配分2004/1
 6秋田県研究員の補償金(発明の対価)アップへ2004/4
 7大阪府発明報奨金大幅アップ、元職員に296万円2005/4
 8長崎県発明対価上限撤廃2005/4


2.企業の事例
 社 名 内  容年 月
 1関西ペイント発明者に最高3,000万円、発明報償金制度を導入2002/10
 2花王転退職者(元社員3人)にも「報奨金」2002/12
 3藤沢薬品工業発明報償金の上限撤廃、売上高もとに決定2003/1
 4石川島播磨重工発明報奨金の上限、50万円から一気に1億円2003/5
 5新日本石油最高1億円の特許報奨金制度を新設2003/3
 6島津製作所特許報奨金制度を全面見直し2003/12
 7三共研究者への報奨金「青天井」に、訴訟避ける動き拡大2004/1
 8呉羽化学特許実施の利益に応じた報奨金制度を導入2004/3
 9武田薬品発明報奨金枠を20倍に引き上げ2004/5
10マツダ発明報酬の上限撤廃2004/5
11コスモ石油上限なしの特許報奨金制度を新設2004/6


 この他に2005/1から5月にかけて、日立製作所、東京ガス、オムロン、東芝、旭硝子、エプソン、旭化成、三菱レイヨン、パイオニア、古川電工、 大日本スクリーン、ホンダ、セントラル硝子 などの各メーカーが報奨金の見直しや上限撤廃を表明しています。
 未だ情報が聞こえてこない高知県や県内企業では報奨金の見直しは進んでいるのでしょうか。 


特許流通成功事例

ベニカミキリフラスを有効成分とする皮膚外用薬
【成約日】平成15年12月2日

【経緯】
 日大歯学部の助教授から本成分の効果を用いた発明の提案があった。同理学部、医学部の研究者が加わり、抗アレルギーに関する追加試験を行い、 効果を確認したのち特許出願した。一方、同助教授はビジネス化の検討を進め、出身地(山梨県)がベニカミキリムシの生息に好適な竹の産地である 所から、地元の「町おこし」案件としてベニカミキリフラスから化粧品を製造販売するプランにつき関係者と協議した。その結果、同助教授が音頭を 取って地元でフラス粉末製造のベンチャー企業と販売のベンチャー企業を立ち上げ、化粧品の製造は委託することでビジネス展開を図ることとなり、 販売ベンチャー企業との間で実施許諾契約を締結した。現在、商品を販売中である。


発明の提案、追加試験と出願
町おこし案件として、地元関係者と市場性の検討
ベンチャー企業(かぐや姫本舗等)
成 約


【技術概要】

利用技術 特開2003-277276「ベニカミキリフラスを有効成分とする皮膚外用薬」
概  要 孟宗竹に生息するベニカミキリムシの幼虫の排泄物であるベニカミキリフラスを有効成分とする天然物由来のかゆみ止めに関するもので、 抗アレルギー剤、皮膚外用剤、皮膚炎抑制剤及び浴溶剤等への利用可能。

【企業】
導入企業 かぐや姫本舗(山梨県南巨魔郡南部町)
提供企業 日本大学(東京都千代田区)

【販売状況】

 平成16年1月 販売開始

【成約に関するコメント】

 発明者は、発明提案の初期段階で特許性充実のため他学科の協力を要請し、効能確認データの採取テストを重ね、出願後はすぐにビジネス展開の可能性を 検討。また、出身地の地元関係者の協力を得て原料(ベニカミキリフラス)の安定供給の確保、原料製造および商品販売ベンチャー企業の立ち上げの支援、 商品化のアドバイスを行うなど、発明者が一貫して主導し、成約した典型的な例であった。

【図面】

図面


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