大学研究室紹介

高知工業高等専門学校
電気工学科

 助教授 山口 巧 (やまぐち たくみ)

山口氏 【研究室概要】
住所/南国市物部乙200の1
電話/088-864-5554
FAX/088-864-5541
●E-mail
 yama@ee.kochi-ct.ac.jp


人間と機械の境界にこだわる

 ユビキタス情報社会を視野に入れた実世界指向インタフェースが盛んに研究されており、コンピュータの存在を意識させることなく(透明にしながら)、 実物体を使った直感的な操作を提供することが重要とされています。手の操作を活用したインタラクティブシステムでは「人間と共生する情報システム」 を提供する、より自然な操作スタイルで扱える「機器インタフェース」も検討されています。私たちのグループはこれらに寄与する研究として、「新しく 覚えることを少なくしつつ、視覚・操作支援をする」ことを実現しながら、「押し付けがましくなく、ゆったりと操作する」簡便なユーザインタフェース とそのアプリケーションシステムの実現を目指しています。


人間に優しいインタフェースを目指して

 現在の研究はユーザインタフェース側からのテーマと、ネットワーク側からのテーマの2つがあります。要素技術分野は、・インタラクション技術 (GUI/TUI/入出力デバイス)、・運動計測・認識(メディア理解)、・ユビキタスコンピューティング(センサネットワーク/RFID/コンテクストアウェア ネス)、となります。研究の位置づけは、ユーザ操作の自由度をあまり高くせずにユーザの対象範囲を広くするものです。多くのユーザは、複雑なボタン を操作したり、高度な機器そのものを使ったりしたいわけでは決してなく、自然な形で情報や商品が得られ、快適に生活ができればいいはずだからです。


把持具型操作支援デバイスの提案

 私たちは、人間の身体性に留意しながら、人間の部位に近い形状であって高齢者でも違和感の少ない形状を選択しました。肘までの関節を固定し手先 のみを動かす動作であれば、高齢者のみならず多くの人にとって比較的容易ではないかと考えています。この場合、水平に置いた平面、円筒面、あ るいは球面を撫でるような動作ということになりますが、実際、お年寄りが孫の頭や猫の背中をなででいるのはよく見かける光景です。ユーザ間格差や 操作支援の課題解決のため、注視域を取り出して手元のデバイスに拡大表示することにより、ユーザの操作や視認を支援しながら撫でる動作で操作する 把持具型の操作レンズデバイス(OPR-LENS:OPeRation-LENS)システムを提案し試作しています。「ユーザの希望に合わせて手元で確認したくなったら 視認する」といった至ってユーザ任せなもので、実世界指向インタフェースやウェアラブルコンピューティングとは違って、力覚あるいは触覚型ユーザ インタフェースに近いインタラクションを狙えるものです。


様々な分野への応用

PC操作を想定したOPR-LENSシステム
(a)システム外観 (b)注視域表示
PC操作を想定したOPR-LENSシステム
 私たちのシステムは、遠隔操作機能を有するネットワークアプリケーションとしてのソフトウェア部と、操作デバイス部の2つから成ります。TCP/IP を基本プロトコルにしており、物理的な接続の形態や距離に依存せず、さまざまな情報機器(情報アプライアンス)や他分野の用途に応用が可能です。 これらのことから、操作デバイスとして視認効果を自在に制御できるさまざまな発展形システムの検討(例えば、三次元曲面表示機能を有するデバイス) や、RFIDタグとネットワーク技術を応用したコンテキストアウェア(ユーザや位置、周りの状況などに状況適応できる)な道具型インタフェースや動画 インタフェースシステムを試作中です。これらの応用システムは、現在、高知工科大学情報システム工学科島村研究室と共同研究を行っています。
 以上のようなことを研究しておりますが、県内企業の皆様の中で、情報機器と人間とのインタフェース、コンピュータを意識させること無く操作支援 や情報呈示を提供するシステムの研究開発にご興味があるようでしたら、ぜひ意見交換や共同研究を行っていきたいと考えていますのでどうぞよろしく お願い致します。