7月号では「模倣品不拡散条約 日米欧で中国の包囲網を!」のニュースのご紹介と 「特許流通成功事例」(紫外線及び白色光により色変化するシートを貼り付けた照明)をご紹介します。
政府の知的財産戦略本部がまとめた今年度の推進計画が、模倣品や海賊版の輸出を禁じる「不拡散条約」創設を提唱した。日本企業は中国の模倣品で大きな 被害を受けている。米欧と協力し早急にその実現を図るべきだ。1.模倣品の被害 世界税関機構や国際刑事警察機構の推計では、模倣品や海賊版の取引額は世界で年間六十五兆円に上るという。その一部は犯罪組織やテログループの資金源に なっているともみられる。
こうした知的所有権の不正ビジネス規制については、世界貿易機関(WTO)加盟国による協定(TRIPS)があるが、輸入は止められても輸出まで及ばな かった。このため、中国から香港やシンガポールを経由して世界に模倣品が輸出されているという。2.模倣品対策 この条約は輸出とその通過を禁じるもので、模倣品封じ込めの有効な手段として期待できる。日本としては早速、七月の主要国首脳会議(G8サミット)で提案し たらどうか。
米欧も被害を受けているうえ、安い人民元による中国の輸出に不満を募らせており、この案に強い関心を示すはずだ。サミットで共通認識が得られれば、WTO に加盟した中国としても受け入れざるを得ないだろう。3.特許相互承認 推進計画は特許出願による技術流出の防止制度や権利侵害の刑罰強化、日米欧三極の特許相互承認の実現なども挙げている。企業にとって特にメリットが大きい のは相互承認である。
特許はそれぞれの国に出願せねばならず、一件で出願・保持に一千万円ものコストがかかるという。携帯電話でも特許件数は数百にのぼるから、その企業負担は 膨大になる。
相互承認が実現すれば手間も費用も大幅に圧縮できる。各国によって得意分野が異なり利害が対立する面もあるが、調整の労を惜しんではならない。保護年限が 異なる著作権なども調整が必要となろう。4.技術貿易収支 意匠や商標権なども含めた日本の技術貿易収支は一昨年から黒字に転じ、昨年は二千二百億円を超えた。まだ米国の十分の一に満たないが、今後も増加するのは 間違いない。
人口減による成長力への悪影響を考えると、知的財産がもたらす利益は極めて貴重だ。その育成・保護の強化は日本の将来に不可欠である。
![]()
紫外線及び白色光により色変化するシートを貼り付けた照明
【成約日】平成15年4月30日
【経緯】本技術を開発した(株)ユウキは、中部経済局特許流通アドバイザーの勧めを受けて、平成13年度より特許流通フェアに出展してきた。一方、(株)ミズノパーツ は、大手企業の下請けとして照明器具枠を製造していたが、受注が減少しており、これを新しい製品でカバーするため、ユニークな照明装置を探索していた。特許 流通フェアで本技術に注目したライセンシーは、この技術の導入により新事業を始めることとした。ライセンス条件交渉等にアドバイザーの仲介・支援を受け、実 施許諾契約の締結に至った。なお、ライセンサーは同フェア出展を契機に、複数の企業とライセンス契約を行っている。 。
特許流通フェアに出展 →
フェアに参加したライセンシーが注目 →
特許流通アドバイザーの仲介・支援 →
成 約
【技術概要】
利用技術 : 特開2002-289001「照明装置、照明装置セット、シート状貼り付け部材及び照明装置作成セット」 概 要 : 白色ランプと紫外線ランプを備え、白色光では普通の照明、紫外線ランプに切り替えるとカバーに貼り付けられた特殊なシートに幻想的な模様が浮き出る。 また、双方併用の照明も可能であるユニークな照明装置。
【企業】
導入企業 : 株式会社ミズノパーツ(岐阜県恵那市)他4社 提供企業 : 株式会社ユウキ(愛知県名古屋市) 【成約に関するコメント】
本案件の実質的な発明は(株)ユウキであるが、不用意に共同出願し、ライセンス契約締結に支障が出たため、特許流通アドバイザーの指導により、 あらかじめ、共同出願人から好条件で譲渡を受け、ライセンスが容易な形とした。そのため複数の企業と実施許諾契約がスムーズに締結されてきたもの である。【図面】
![]()
このコーナーへのお問い合わせ・ご連絡先 (財)高知県産業振興センター 特許流通アドバイザー 吉本 忠男
TEL:088-846-7087/FAX:088-846-2556/E-mail:yoshimoto-ad@adp.jiii.or.jp