
(財)高知県産業振興センターの企業コーディネーターとしてお世話になり、早いもので4ヶ月が過ぎました。まだ十分高知県企業様を理解できていない のが実情で、不甲斐なさも感じています。4月の就任時に大凡の年間計画を描きました。できるだけ早期に多くの高知県企業様にお伺いし、概要と課題を把握 しながら企業コーディネーターとしての役割を果たすべく、以下のメッセージをまとめてみました。これからも、高知県企業様に近づいて参りますので、 是非在りのままをお聞かせ頂き、お見せ下さい。
企業コーディネーターの役割
1.お客様に近づく 企業活動の原点はお客様にあります。お客から見放された企業が衰退して行く事例は枚挙に遑がありません(固有名詞は書きません)。1次産業・2次産業 ・3次産業に関係なくお客様から「信頼」されたものだけが成長させて頂けると考えるべきでしょう。「信頼」を得るには、お客様に如何に近づくかだと考え ています。ただし、お客様の言いなりになると言っているのではありません。お客様のニーズは多様化し、多様なニーズ全てに満足させ得るものではありませ ん。「選択と集中」しないと、会社が潰れてしまいます。では、お客様の「ニーズに応える」と言いますが、「ニーズ」とは何でしょうか。
「ニーズ」には、顕在化されたものから、潜在的なものまであります。顕在化されたものを収集(Collect)するのは容易かもしれませんが、潜在的なものは 積極的に探さなければ(Hunt)顕在化出来ません。お客様の「ニーズ」を私なりに考えているものを列記いたします。
- 何を欲しているか。
- 何を期待しているか
![]()
- どのような不信を抱いているか
- どのような不平不満を持っているか
- どのような疑問を持っているか
- どのような悩みを持っているか
- どのような不安を持っているか
- 何を知りたいか―――
どのような情報を欲しているか- 何を知らないか―――
どのような情報にかけているか
これらのニーズを掴むには、積極的に・目的を持ってお客様に如何に近づくかに掛かっています。高知県企業様のお客様に近づく活動を積極的に支援して参 ります。 2.時間は平等 企業の資産は人・物・金と言われます。確かに大企業は人・物・金の資産は豊富に持っています。そこから生み出された技術・ノウハウ・信用などの無形資産も 豊富かもしれません。しかし、大小を問わず時間だけは平等に経過します。
最近、変化・変革の激しい世の中をドッグイヤーや朝顔イヤーなどと喩えていますが、大企業・中小企業・個人事業であれ、誰でも同じ世界に住み、活動をして いることには変わりはありません。時間は公平に充てがわれています。その時間の有効利用が勝敗を分けるといっても過言ではありません。
現在大企業といわれる会社でも、家内事業(今で言うベンチャー企業?)からスタートした所は少なくありません。それらの会社は時間的に他に先駆けてビジネ スを広げ、今日の信用を得てきたといえるでしょう。全てにチャンスがあり、またピンチもあると思います。特許でも、タッチの差で取り逃がしたり取れたりして います。特許申請が数時間違いという例もあります。世界中で同じ事を考えている人は沢山いるということです。少しの時間差でチャンスとピンチが隣り合わせに いる訳です。
組織が大きくなれば成る程、意思決定に時間がかかり、また小回りが利かなくなります。小組織のほうが有利なところもあります。是非時間を有効に使いたいも のです。
高知県にお世話になってから、高知(土佐)時間という言葉を時々耳にします。良い意味での高知(土佐)時間にしたいものですね。
お客様に近づく活動もスピード、タイミング、フットワークを大事にしていきます。 3.マッチィング、リピート、そして口コミへ 企業コーディネーターの役割の中に、「ビジネスマッチング」というのがあります。端的に言いますと、高知県企業様と市場とを繋ぎ、ビジネスが成り立つよう 調和させることだと解釈しています。今ある商品・サービスがそのまま受け入れられることもありますが、新たに改良・改善や、一からやり直す必要が出て来る事 もあります。その場合にも先に述べました真の「ニーズ」を把握した上で、スピーディーでタイミング良い活動を行うことが重要となります。
といっても、全てうまくいくとは限らず、失敗しても諦めず継続した取組みがお客様の信頼を得ることに繋がることを忘れてはなりません。もし不具合(不良品 ・納期トラブル・サービスミスなど)が起こっても、その対処の仕方によってお客様の信頼が増すことが多いのも事実です。このことは、不具合が起きた時にお客 様の懐まで入っていくことが出来き、人と人の繋がりが強くなるからです。こうして、リピートのお客様が出来、長いお付き合いの出来る関係を作って行きたいも のです。
大企業は資金もあり、広告・宣伝に力を入れてお客様に情報発信をして行けますが、中小企業では広告・宣伝費に多額な投資は困難です。最小限の投資で最大限 の効果を得る為には、お客様の口コミが大きな武器となります。お客様の信頼を得ることにより、ヒューマンネットワークによる口コミが出来てきます。大いに口 コミ作戦を展開して行きましょう。その為のネットワーク創りの支援に努力します。
マーケティング活動
1.マーケティングの5P マーケティングは、日本では販売活動と理解されがちですが、辞書には市場調査・流通経路・広告なども含む製造計画から最終販売までの「全過程」とあります。 欧米の企業では研究・開発まで含めたマーケティング活動を行っており、エクセレントカンパニーといわれる企業では、売上高の2%程度をマーケティングにお金 をかけています。また、マーケティング学位まである位の企業における戦略を構築する活動です。
マーケティングの基本は5Pとよく言われます。その5PとはPlace/Product/Price/Person(或いはPeople)/Promotionです。
Placeとは業界・流通・相手先など何処で企業活動をしているかを指します。
Product、Priceは文字通り商品(サービス)、価格のことです。
Personは人という意味ですが、顧客・相手先のキーパーソン、それに対してこちら側は誰を当てるのが良いのか(競合相手はどのような人が対処しているのか) などの意味を込めています。
Promotionは宣伝・広告・イベントなどだけでなく、お客様相手にとる行動全体を言います。
この5Pをもってマーケティング戦略を打ち立て、自社の強みを生かし、弱みを排除して他社との差別化、継続的改善をして行こうとするものです。5P戦略を構 築し、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Act(改善・改革)のデミングサイクルを廻していくにも、やはりお客様に近づいた活動が大事だといえます。
このようなマーケティング活動の一端も支援して参ります。 2.ベンチマーキング ベンチマーキングは、最近日本でも経営改善手法として広く行われるようになって来ました。ひとことで言えば「Best Practice(ベストに学ぶ)」ということで、 「日本経営品質賞アセスメント基準書」(日本経営品質賞委員会)では「組織が改善活動を行うときに、業界を超えて世界で最も優れた方法あるいはプロセスを実 行している組織から、その実践方法(プラクティス)を学び、自社に適した形で導入して大きな改善に結びつけるための一連の活動」と定義付けています。
何か難しそうに考えがちですが、世界で最も優れた「Best Practice(ベストに学ぶ)」と考えなくても、既に殆どの企業で、生産現場でのTQCなど改善効果を数 値で実態を把握する事を行っていたり、競合他社の商品・サービスの比較分析(リバース・エンジニアリング)なども行われていると推測します。これらも広義で のベンチマーキングといえます。「ベストに学ぶ」という定義とは異なりますが、同業他社、異業種交流、グローバルレベルへとレベルアップをしていくことが重 要となります。
そのためには、常に内だけを見るのではなく外を見ることです。お客様に近づきながら企業様と協力し合って、「Best Practice(ベストに学ぶ)」:ベンチマー キングの実践をしていく所存です。
結び【決意(独り言?)に代えて】
企業コーディネーターの大きな役割の一つが、高知県企業様のお客様に近づく活動を支援することだと考えています。その中から、お客様の顕在・潜在双方の 「真のニーズ」を取り込み、お客様へのスピーディーな対応、そして信頼を得たマッチング、リピートの獲得、口コミするネットワーク造りを推進して参ります。
また、持続可能な発展には、他と違うもの・差別化できるものを作り上げる必要があります。そのためのマーケティング、ベンチマーキングの支援をして参り ます。今後とも宜しくお付合い頂く事をお願いし、メッセージに代えます。