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高速・高精度の先端計測機器に用いられる評価用短パルス光源にはパルス幅が短いことはもちろん、時間揺らぎ(タイムジッタ)が極端に少なく、 繰り返しが可変な高品質光パルスが必要です。従来、このため高価で調整が難しい大規模短光パルスレーザが使われています。
高知工科大学ではコンパクトで安価な半導体レーザ(LD)で高品質なジッタの少ない短光パルスの発生に成功しました。 出力光の一部を或る特定条件でLD本体に帰還させる極めて単純な構成により高品質で利便性の高い短パルス発生を実現しました。
低タイミングジッタ 短光パルス光源の研究 高知工科大学 助教授 野中弘二
インターネット上での膨大な情報のやりとりや、その情報を処理する高性能LSI上では、超高速の信号が1ビットの誤りもなく伝えられることが要求されています。 この信号品質を評価・監視するためには時間幅がきわめて短く、タイミングが極めて正確なリズム信号(同期クロック)が不可欠です。 高品質な短光パルスは最適なリズム信号ですが、従来はこの要求を満たすため高価で調整が難しく、融通も利かない大規模な短光パルス発生器が必要でした。 もちろん半導体レーザのようにコンパクトで安価なパルス発生器がありますが、パルス品質やリズム変更の自由度などが不十分で利用できませんでした。
図1 パルス光の自己帰還によるタイミング安定化構成の概要
半導体レーザの光パルスの発生時間揺らぎ(タイムジッタ)を非常に小さくする手段として、図1に示すように発生したパルス列の一部をある特殊な条件で 発生器に帰還してやるという技術が有効であることを我々は既に発見していました。しかしこの技術を実現するには、 光信号ビームを1000分の1ミリメートル以下の高精度で調整するような匠の技を必要とし、この高価な調整機構の設置が、 せっかくのコンパクトさと安価さを生かす障害となっていました。
本研究では、半導体レーザを用いて高品質で、安価、利用が簡単で、リズム変更自由度の高い短光パルス発生器を開発することを目的として、以下の育成試験を行いました。
- モジュールを低コストで量産できるような構成法に改善
- 各用途での要求仕様を満たすモジュール構成の明確化
- 装置の簡便な評価・調整法の検討
図2 試作した短光パルス発生器GS-LD
図3 様々な繰り返し周波数での時間揺らぎ(ジッタ)品質とパルス波形