特許流通支援コーナー

10月号では「知的財産高等裁判所」のご案内と「特許流通成功事例」(座椅子型自動走行車)をご紹介します。

知的財産高等裁判所

 知的財産高等裁判所は、知的財産高等裁判所設置法に基づき、平成17年4月1日、特別の支部として、 東京高等裁判所に設置されました。
 知的財産高等裁判所が設置されるに至った背景には、「知的財産立国」という言葉に象徴されるように、 知的財産の創造、保護及び活用を図る様々な施策が国の重要な政策として位置付けられているということがあります。 裁判所としては、知的財産をめぐる紛争について、充実した審理を行い、ハイレベルの専門的知見を踏まえた適正な判断を迅速に 行うことにより、知的財産権の保護を図るとともに、その裁判情報等の成果を内外に情報発信していくことが、 自らに課された重大な責務であります。

担当事件について

1.審決取消訴訟
 特許庁が行った審決に対する不服申立てとしての審決取消訴訟は、東京高等裁判所の専属管轄であり、 その特別の支部である知的財産高等裁判所が取り扱います。
2.民事控訴事件
 民事控訴事件(民事事件の控訴審)のうち、特許権、実用新案権、半導体集積回路の回路配置利用権及びプログラム  の著作物についての著作者の権利に関する訴えの控訴事件は、東京高等裁判所の専属管轄に属し、知的財産高等裁判所で 取り扱います。
 次に、民事控訴事件のうち、意匠権、商標権、著作者の権利、出版権、著作隣接権、育成者権、不正競争による営業上の 利益の侵害に係る訴えの控訴事件については、第一審を取り扱った各地方裁判所に対応して、全国8カ所にある高等裁判所が 管轄を有しますので、そのうち、東京高等裁判所の管轄に属する事件を知的財産高等裁判所が取り扱います。
 1の審決取消訴訟及び2の民事控訴事件についての管轄及び審級を図示すると、次のとおりです。

知的財産高等裁判所の取扱事件

組織の概要

1.知的財産高等裁判所には、裁判部門及び庶務を扱う知的財産高等裁判所事務局が置かれています。
2.知的財産高等裁判所には、所長が置かれるほか、裁判官、知的財産に関する事件を扱う裁判所調査官、裁判所書記官、 裁判所事務官が配置されています。また、事案に応じて、非常勤職員である専門委員が事件に関与することがあります。
 (1)裁判官(2)裁判所調査官(3)裁判 所書記官(4)裁判所事務官(5)専門委員
3.知的財産高等裁判所は、東京高等裁判所の特別の支部として、霞ヶ関の裁判所合同庁舎の17階にあります。


特許流通成功事例:座椅子型自動走行車
経 緯

 ベンチャー企業創業間もない(有)コスモテックは、新商品の開発分野として「福祉・介護」を選択し、 群馬県の企画事業である「1社1技術コンペ」に座椅子自動車のテーマで応募した。 群馬県特許流通アドバイザーは、応募企業の技術支援をするためライセンシーを訪問し、ニーズを把握、 個人所有の特許技術を紹介し技術導入を勧めた。ライセンス条件の交渉の結果、実施許諾契約の締結に至った。 また、ライセンサーから契約締結後において、商品開発から事業化までのアドバイスを受けることにした。

群馬県企画事業「1社1技術コンペ」に応募

応募企業に対する現地調査(ニーズ&シーズ把握)

関連特許・技術(シーズ)の導入指導

成 約

ライセンサーから商品開発〜事業化支援のアドバイス

技術概要

利用技術:特開2000-033876 「座椅子自動車」
概 要:電動車椅子であるがトロコイド駆動装置を具備しているため回転半径が小さく、左右、前進後退移動が自由に可能、 かつ移動は操作レバー1本で簡単に操作可能にした座椅子型自動走行車。多少の段差や狭い通路を容易に移動できる利点を持ち、 立ち上がりや腰掛ができない人にも使用可能。

企 業

導入企業:有限会社コスモテック(群馬県高崎市)
提供企業:六車義方(神奈川県横浜市)

商品
成約に関するコメント

 ニーズの技術内容には特徴が有り、今後の福祉・介護分野で商品化が期待できるとの判断から、 個人所有の特許(シーズ)を早急に移転し、ライセンサーから事業化についてのアドバイスを受けたことが功を奏した。 またライセンシーがベンチャー企業であるにもかかわらず、比較的容易に実施許諾を得られたことは、 ライセンサーとライセンシーの相互の信頼関係が整っていたからと言える。


このコーナーへのお問い合わせ・ご連絡先

(財)高知県産業振興センター 特許流通アドバイザー 吉本 忠男
TEL:088-846-7087/FAX:088-846-2556/E-mail:yoshimoto-ad@adp.jiii.or.jp