11月号では経済産業省及び特許庁の「特許」に関する話題2題のご紹介と 「特許流通成功事例」(砂場の砂の殺菌浄化装置(砂番長))をご紹介します。
特許庁は3日、インターネットによる特許電子出願のオンライン受付を開始し、同時に、電子現金納付による手数料支払いも利用可能とした。なお、現行 のISDN回線を利用した出願なども当分の間引き続き利用可能だが、早期にインターネット出願への一本化していく方針。
特許庁では、1990年からISDNを利用した特許電子出願のオンライン受付を開始。現在、特許出願のオンライン化率は約97%に及んでおり、特許 庁がオンラインで受付している申請の総件数は年間で約300万件にのぼるという。
今回、ISDNに加えてインターネットによる電子出願の受付を開始し、受付時間も24時間に延長した。インターネットにより可能となる手続きは、特 許、実用新案、意匠および商標の出願関連手続、審判手続および特許協力条約に基づく国内段階の出願関連手続。
また、財務省歳入金電子納付システムおよびマルチペイメントネットワークと連携することにより、ユーザーがインターネットバンキングを利用して特許 出願の手数料を支払うことが可能となった。現行の特許印紙を用いた予納制度及び納付書を利用した現金納付制度も引き続き利用可能だ。
「経済産業省では『ソフトウェアの法的保護とイノベーションの促進に関する研究会』で、特許権の行使がイノベーションを阻害する事例を調査している。 調査結果を踏まえ、権利の濫用を防ぐため特許法の準則を整備する」---経済産業省 商務情報政策局情報経済課係長の紀田馨氏は、10月7日に行なわれたイ ベントOpen Source Way2005の講演で特許に関する政策方針を明らかにした。
「ソフトウェアの法的保護とイノベーションの促進に関する研究会」は、2005年6月に発足。委員長は学習院大学 法学部教授 野村豊弘委員長氏で、 東京大学 大学院法学政治学研究科教授 中山信弘氏、中央大学 理工学研究所教授 今野浩氏、富士通株式会社 法務・知的財産権本部長 加藤幹之氏、東芝 知 的財産部知的財産権法担当部長 光主清範氏、ソニー 業務執行役員上席常務知的財産担当 中村嘉秀氏、弁護士 椙山敬士氏らが委員となっている。
「2004年12月に米国競争力会議が発表した報告書『Innovate America(通称パルミザーノ・レポート)』では、『知的財産権の保有はイノ ベーションの重要な推進力であるが、一方で多くの最先端分野におけるテクノロジーの進歩は共有された知識、協同の取り組みから生まれている』と指摘して いる。またIBMは500件の特許をオープンソース・ソフトウエアに公開しパテント・コモンズを提唱するなど、米国でもイノベーション促進の観点から プロ・パテント(特許重視)政策を見直す動きが起きている」(紀田氏)。
イノベーションの促進に関する研究会では、特許権の行使がイノベーションを促進する事例を精査し、具体的な問題点を抽出、調査結果は公表する。問題 となる行為について、権利の濫用となるかどうかの検討を行なう。濫用される基準などを特許法の準則として整備する方針だ。
研究会はまもなく中間報告として論点整理を発表する。2005年度中をめどに最終報告書をまとめる予定だ。
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砂場の砂の殺菌浄化装置(砂番長)
【成約日】平成16年3月30日
【経緯】(株)トーエーの砂場の砂の殺菌浄化装置「砂番長」がテレビで全国放映され、それを見た(株)地球地所がこれに興味を示し、ライセンサーに話を持ちか けた。一方、ライセンサーを訪問していた三重県特許情報活用アドバイザーがこの情報を得て、同県特許流通アドバイザーに伝えた。特許流通アドバイザーは 何か支援できるのではと、直ちにライセンサーを訪問したところ、ライセンス契約の支援の依頼を受けた。特許流通アドバイザーがライセンシーとの折衝を支 援・仲介した結果、実施許諾契約の締結に至った。
特許技術のテレビ全国放映 →
特許情報活用支援ADからの情報提供 →
特許流通ADが地元ライセンサーを訪問、支援依頼を受ける →
ライセンス契約交渉 →
成 約
【技術概要】
利用技術 : 特許第2630921号 「砂場の殺菌装置」他1件 概 要 : 公園、遊園地、学校、幼稚園、保育所などに設けられている砂場の殺菌浄化装置で、砂と脱糞は空気とともに吸入され、セパレータで空気と 分離された後、加熱手段により脱糞は燃焼消失され、砂は高温で殺菌され、この浄化済みの砂を元の砂場に戻す装置。
【企業】
導入企業 : 株式会社地球地所(沖縄県那覇市) 提供企業 : 株式会社トーエー(三重県津市) 【販売状況】
平成16年5月に沖縄バージョン第1号が完成し、本格販売開始。【成約に関するコメント】
ライセンス交渉の経験の浅いライセンサーが、一方的に不利にならないよう十分に契約条件に配慮した。沖縄の砂は珊瑚や貝殻が主成分で、気温も高い ことから雑菌が繁殖し易い。「砂番長」が普及し易い土地柄でもある。特許情報活用支援アドバイザーから企業の情報を得て、タイミング良く訪問出来た のが成約のカギとなった。
このコーナーへのお問い合わせ・ご連絡先 (財)高知県産業振興センター 特許流通アドバイザー 吉本 忠男
TEL:088-846-7087/FAX:088-846-2556/E-mail:yoshimoto-ad@adp.jiii.or.jp