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高知大学 農学部生産環境工学部 助教授 藤原 拓 氏 |
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私の研究室では、身近な水環境である河川や地下水の水質汚濁のメカニズムについて定量的な解析を行うとともに、 水環境への汚濁物質排出量の抑制のための技術開発を行っており、これらを通じて流域の水環境保全に役立ちたいと考えています。 現在行っている研究は、・排水の高度浄化技術の開発、・廃棄物処分場における有害物質の生成・分解メカニズムの解明、 ・硝酸性窒素による地下水汚染の機構解明および自浄作用の評価に関する研究、・山地河川からの汚濁負荷の流出に関する研究の 4テーマです。以下にそれぞれのテーマの概要について紹介させていただきます。 |
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排水の高度浄化技術の開発 二十一世紀の下水道には、処理の高度化、資源・エネルギーの回収、省エネルギー・省スペース、
汚泥発生量の低減など様々な機能が求められており、今後下水道の普及を進めるべき中小市町村では、
高度処理が可能な小規模排水処理プロセスが必要です。この研究では、高度処理、省エネルギー、省スペースを同時に実現可能な、
微生物による処理プロセスの開発を目指しています。下水処理場に設置した実験プラントでの結果より、
通常小規模下水処理場で採用されるプロセスの半分から四分の一のスペースで、流入下水中の有機物・窒素のそれぞれ約90%
および約80%が安定して除去されています。今後はエネルギーやコストの観点から、最適な運転操作の条件を探っていきたい
と考えています。 廃棄物処分場における有害物質の生成・分解メカニズムの解明 廃棄物処分場の内部でどのような反応がおこっているのかについては不明な点が多く、
住民への「安心」を保障するためにも科学的な解明が求められています。この研究では、
実験や調査により処分場内部における有害物質の生成・分解メカニズムを明らかにすることを目指しています。
有害物質の中でも水に溶けやすく土壌に吸着しにくい有機物に着目し、廃棄物からこれらが溶け出す速度や分解される速度に
影響を及ぼす要因を明らかにしたいと考えています。また、有害物質の処分場内での挙動を表現可能なモデルを作成することにより、
処分場内部をどのような環境条件にすれば処分場の浸出水処理施設に流入する有害物質濃度を最小にできるのかについて
考えたいと思っています。 硝酸性窒素による地下水汚染の機構解明および自浄作用の評価に関する研究 畑地へ過剰に施用された肥料が硝酸性窒素による地下水汚染の原因になることが広く知られています。
この研究では、現地での施設園芸ハウスにおける実験および調査に基づき、地下水汚染のメカニズムの解明および地中での
自浄作用の評価に関する研究を進めています。今までの研究より、施設園芸ハウスにおける湛水は地下水水質に対して
大きな影響があること、希釈と微生物作用によって汚染された地下水は自然に浄化され、その浄化作用の大きさは場所により
異なることなどがわかってきました。今後は、土壌中の自浄作用を適切に評価し、
その作用の強化・制御を基礎とする汚染対策技術を開発したいと考えています。
山地河川からの汚濁負荷の流出に関する研究 山地からの流出水は一般に非常にきれいであるとされていますが、流域の中で山地が占める面積は非常に大きいことから、 流出する汚濁物質の総量は非常に大きいものとなります。この研究では、 四万十川上流で植生条件の異なる四流域を対象に定期的な水質調査を行い、 山地河川の水質・負荷量の特徴を明らかにする調査を行っています。なお、本研究は、高知高専の先生との共同研究です。 以上のような研究を通じて、高知県の水環境の保全に役立ちたいと考えています。 なお、これらの研究はすべて同じ研究室(防災水工学分野)の大年邦雄教授および所属学生との共同研究であり、 また研究遂行上お世話になった関係各位に感謝いたします。 |