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高知大学 農学部 暖地農学科 教授 福元 康文 氏 |
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TEL・FAX/0888-864-5129 E-MAIL/yfuk@cc.kochi-u.ac.jp |
蔬菜園芸学研究室は高知大学農学部発足時(昭和24年)に園芸学研究室として設置された、最も歴史の古い研究室の一つです。 これまでの卒業生は大学院修士および博士課程を含めると370余名であり、国内外で活躍しています。 研究理念として、研究のための研究ではなく常に役に立つ農学研究を目指し研究を進めています。以下に最近の研究の一端を紹介します。
1.果菜類の成育生理に関する研究
@ピーマン
ピーマンの周年安定供給体制の確立を目的とし、栽培におけるさまざまな問題点を解決すべく研究を行っています。 ピーマンの落蕾落花による着果不良は、環境不良と着果負担の増大に起因し、根への乾物分配の不足と葉内窒素含有率の増加、さらに根の発育不良による養水分の吸収低下とホルモン、特にサイトカイニンやオーキシンの生産低下によって引き起こされることを明らかにしました。 一方、着果負担が少なく着果が安定している同じナス科のトマトでは、頂芽部のジベレリンとサイトカイニン含量が高く、アブシジン酸含量は低くなり、ジベレリン/サイトカイニンあるいはアブシジン酸比も高くなることを明らかにしました。 ピーマンの着果習性の変動にもこれらのバランスが関与していることを生理学的に明らかにするなど、着果安定に寄与する研究を行っています。
Aメロン
メロンについては養分吸収特性について研究し、着果枝葉で一般的に収穫間際にみられる脱緑黄化は、その症状から従来マグネシウムの欠乏によると考えられてきました。 しかし、着果の有無と着果に伴う成育時期別の分析結果から、果実に最も近い着果枝葉から果実へカリが優先的に移行することで誘発されるカリ欠乏とPの急激な上昇であることを初めて明らかにしました。 現在養水分吸収特性と果実品質との関連について追及しています。
Bシカクマメ
21世紀の作物として期待されているシカクマメの栽培導入に関する研究では、莢に含まれるレクチン成分の消長について検討し、レクチンは開花20日までの若莢にはほとんど含まれず、莢の肥大が緩慢となる25日以降に急増することを明らかにしました。 また作型別の栽培技術開発とポリフェノール含有量が生ナスの約2倍以上もある機能性についても明らかにし、栽培普及に努めています。
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2.半乾燥地農業の開発環境保全に関する研究
中国天津市周辺の半乾燥地域における野菜栽培畑と穀物畑土壌の特性を比較検討し、天津市周辺野菜畑土壌の理化学的環境改善などにより、微生物相の改善が促進され、 土壌をより熟畑化させることができると推察し、アルカリ土壌の改良と連作畑の高度利用化の研究を続け、国際親善の寄与にも心がけています。
3.環境保全に関する研究
@汚泥の再利用
河川・湖沼のスラッジの土壌への還元を図り、河川環境の改善に関する研究、特にセルロース主体の製紙スラッジの再利用についての研究を行っています。高知県いの町は昔から製紙産業が盛んで、仁淀川の底部には製紙スラッジが大量に堆積しています。 さらに仁淀川支流の相生川からは現在でも大量のスラッジが流れ込み、水質悪化を助長しています。浄化対策としてスラッジの回収が講じられていますが、回収後のスラッジはドロドロとゲル化しており廃棄処理は困難を極めています。 そこで、製紙スラッジがセルロース主体である特性を生かし、農地に還元可能な農業用資材としての研究開発を行っています。
Aマイクロバブルオゾン水の農業への利用
強酸化力を有し殺菌等に効果的なオゾンは、加水分解によりさらに酸化力を増大させるが、水に溶解し難く、酸素に戻る半減期は20分と短く、オゾンを水へいかに連続的に高濃度高効率に溶解させるかが技術的懸案であった。 そこでオゾンを0.5〜3μmの極微細気泡として処理対象水と高効率に接触させ、必要オゾン溶解濃度を連続的に確保して、そのオゾン水又はオゾン処理水等の利用による農薬代替の環境保全型営農技術の確立についての研究を行っています。
Bキトサンの成育促進と生理作用に関する研究
未利用資源としてこれからの利用開発が期待されているカニやエビなどの甲殻類に含まれているキトサンの野菜栽培への効果的利用法について検討しています。 葉菜類の成育は、キトサンの重量比1%土壌混和が最も効果的で、その効果はキトサンに含まれる窒素成分の遊離によることを明らかにしました。 またその生理作用には脱アルカリ度が関与し、脱アルカリ度が高いと窒素への無機化が緩慢で、土壌中の無機態窒素含量はほとんど高まらず、成育促進作用は小さいことを明確にしました。 また安価なカニガラ粉末の有効利用についても検討し、未利用資源の有効利用を図り、循環型農業への発展を図るべく研究を続けています。