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プラットフォーム 2007年6月号 No.237
LSIの診断・解析・評価技術の研究開発

2年前に高知工科大学へ赴任してきました。
これまで企業にてLSIの故障解析技術の研究開発と装置化および、ソフトウエアを用いた故障診断技術の研究開発を行ってまいりました。
同時に市場での故障LSIの解析を通じて信頼性や品質に関して勉強してまいりました。
この経験を踏まえて、全国的にも数少ないLSIの診断・解析・評価技術を研究開発する研究室を立ち上げました。
現在、院生、学部生の計8名で研究を行なっています。目標は社会が必要とする技術開発と社会貢献です。以下に、この経緯と社会貢献について述べます。
写真1 事故原因となったピンホール
研究のきっかけは企業時代に経験した故障LSIの原因究明に携わったことにあります。
20数年前の6月、東京霞ヶ関一帯の通信回線が突然不通となる事故が発生しました。
本社、官庁などが集積した地域だけにトップニュースとして報道されました。
原因はNTT霞ヶ関局に設置された電子交換機に搭載されている1個のLSIにありました。
解析の結果、1ミクロンのピンホールが故障を引き起こしていることを究明しました(写真1)。
当時の貧弱な解析技術はその後の研究開発で大いに発展しております。究明後の疑問は外部環境に変化がなかったにも関らず、
「今まで正常に動作していたLSIがなぜ突然故障したか?」でありました。そして、その検証過程で論理故障の大半は電源電流の異常を伴うことを理論的に解明し、
電源電流を主とした解析・診断へ研究テーマを絞り込んでいきました。

電源電流は体内を流れる血液と同じです。
体内異常は血液の分析から異常内容を推測できるようにLSI内部の異常は電源電流の分析から異常個所候補を推測できます。
又、発生箇所は異常発熱や発光、それに異常電流といった物理現象を伴います。
研究室では、前者に対して電流異常が顕在化する論理の分析から異常個所候補を特定するソフトウエアの研究を、
後者に対してこれらの現象を観察するハードウエアの研究を行なっています。
さらに、故障を作り込んだLSIを用いた電気的現象と理論との対応研究を行っています。
写真2-1は研究室で開発した微小発光を検出する簡易装置です。写真2-2は異常発光箇所の検出事例です。
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写真2 開発した発光解析装置(2-1)と解析事例(2-2) |
写真3 解析事例 金属端針と液晶を用いた発熱解析
大学の目的は教育・研究とともに、社会への貢献を重要な課題としています。
そして2006年度末から当大学研究支援部の協力のもとに故障LSIに関して困っておられる県内企業に対して解析サービスを行なっております。
第一号である企業からは迅速な解析と報告書に対して感謝されております(写真3)。
このような取り組みは実務的な研究活動につながり、学生に対しても貴重な経験となります。
是非、LSIに関するご相談を頂きたく、県内企業の発展に微力ながら貢献できると考える次第です。
実装したLSIに見られる故障の大半は静電破壊に起因します。このような故障は比較的簡単に解析できます。
研究課題はどのような状況下で発生したのかを究明することであり、この究明が製造品質の向上につながります。
今後、このようなコンサルテイング活動も視野に入れた研究活動を推進していく予定です。
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