2008.02.12 No.245
 ●日時 平成19年11月28日
 ●場所 ぢばさんセンター5階 第3研修室

【参加者】  有限会社中野精工 取締役部長 中野 浩次
株式会社オサシ・テクノス 工場長 戸梶 博司
専門家 NPO法人 情報化ユートピア 理事長 中村 州男


中野 浩次氏
●中野 最初、ITを導入したいと思ったのは、社内の中で欲しいデータが全く取れていないし、蓄積もされていない。実際に加工時間が、どれぐらいかかったか。見積りをどれぐらいしたか。紙に残して、山積みされているだけで、検索もできなければ抽出もできないというふうな状況で、これを何とかしたいと思ったのが始まりです。それで実際、データベースのお話を伺って、そのデータベースソフトを使って自分のところの業務に役立てたいと考え産業振興センターに相談して、中村先生をご紹介していただいたのがスタートです。
  まず、データベース化したかったのは、図面番号ごとの管理です。どのような見積りをしたのか。見積もりに対して、どれくらいの単価で注文が決まったのか。実際の加工にどれくらい時間がかかったのか。赤字なのか、黒字なのかということも含めてです。それには材料原価、外注費用、運送費など、トータルの原価も入ります。
  図面番号をキーワードにして、この図面番号と品物に対して、例えば過去何か問題があってクレームがあったとすると、クレームもその図面番号で検索できるようにして、将来、同じことをやるときに、作業指示書で現場に注意を促すようにする。また、人が替わったり、長いこと時間が経ったりすると、前の段取りやどんなところで苦労したかなど、全然分からなくなってしまっているので、その時使った冶具を写真に残しておくことで、その時の段取りや注意点、ノウハウなどが分かるようにしておきます。また、図面は全部紙ベースで管理していますが、今後図面もデータベース化し、図面番号ごとに、どの機械でどれくらい時間を要するかも把握できるようにしたいと考えています。今のところ、機械の稼働状況が一目で分かるようにしたいということで、機械ごとの負荷の山積み表をエクセルで表示できるように中村先生の指導のもとに作りました。全7回の指導で、1回目は方針の決定、2回目はプロトタイプを先生に作っていただき、実際の入力、それから作業指示書の出力、実績入力の開発、3回目は各工程ごとの累積予定所要時間山積み表の開発というように7回でシステムの開発から運用までの指導をいただきました。

●中村 一緒に作り込んでいくやり方をしていて、7回の指導で、これからお見せするところまでのシステムが完成しているということです。
  私も10年前、高知でモデル企業育成事業を担当させていただきましたけれども、相当な日数を要していましたが、そういう開発スキルならびに指導の仕方が改善されたんでしょうか。短期間での指導が可能となりました。企業さんと二人三脚でシステムを作って、そして、出来上がったシステムは公開するという発想で、多くの企業さんに支援した成果を波及させたいと考えている次第です。
  ここまでの範囲で出来上がったシステムをパソコンの操作をしながら実際に説明していただきたいと思います。

●中野 受注入力画面が、一番メインのメニューです。実際にかかった工数とかを入力したり、各機械の累積の時間、どれくらいの混み具合かというのを示す部分のメニューなどになっています。

●中村 いわゆる山積み表ですね。これ(山積み表)がエクセルから出てきます。

●中野 見積書は、実際に注文が決まったときに、どんな見積もりでどれくらいの時間を勘定した結果、注文につながったかなど、実績から引っ張れますし、それに対しての作業指示書も発行するということができるようになっております。


受注入力画面
●中村 さて、次ですが、条件として、見積もりが済んで2回ほどその注文が入っていると。今度3回目の受注、注文が入ったというところで操作をしていこうと思います。お願いします。

●中野 3回目の受注情報を入力すると、過去2回分の実績データとリンクして、そのときにどの機械でどれくらい時間がかかったかなど、検索できるようになっており、山積み表とかも横目でにらみながら、作業指示書を発行するためのデータを入力します。欲しい情報が図面番号から検索できるようになっていて、ファンクションキーで文章(不具合対策書など)や表、図面、画像、冶具(段取りなど)情報などが呼び出せます。図面番号をキーワードにして、ノウハウの蓄積が可能となり、過去の履歴を自分で確認して、必要があれば作業指示書のほうに、プリントアウトしたものを添付して現場に回す仕組みとなっています。

●戸梶
 機械の混み具合については、どんな基準で決めているんですか。


山積み表
●中野 デモ用のデータで、若干不正確な部分があるんですが、イメージとしてつかんでいただけたらと思います。5週間後の山積みのグラフです。下に並んでいる数字が、機械名です。赤い部分と、それから黄色いもの、青いものというのがあるんですけれども、これは1日の稼働時間を10時間として、1週間で仕事する時間が60時間。それに対して120%を超える仕事の混み具合になっているという場合には、赤色になります。120%未満はオレンジ色、100%未満はピンク色、80%未満は黄色、60%未満は青色、30%未満の場合は白。それぞれの機械がどの週がどれぐらいの混み具合になっているかが分かるようになっています。
  この山積み表を作る動機としては、作業時間とか、加工機械の振り分けを自分で考えるためというのが1つ。それと現場と事務所側の情報の共有化を考えています。4週間先、5週間先まで機械の負荷状況を現場の方に早めに流して、どういうふうにすれば一番スムーズで効率のいい仕事ができるか現場のほうでも計画してもらうことを目的にしています。
  今後、山積み表の精度を上げるために、バーコードリーダーを導入して、半自動で終了日時の情報を取り込むようにして山積み表の正確さを向上しようと考えています。
  それともう1つは、山積み表にしても、それから先ほどのいろんな表とか写真にしても、今のところは事務所のほうで僕がプリントアウトなり何なりして現場のほうに回すような形を取っていますけれども、将来的には現場に1台もしくは2台のパソコンを置いて、必要に応じて現場の人間がパソコンを開いて、自分のところに来ている仕事にどんな問題があったか、自分の仕事がどんなに混んでいるか。どうしなきゃいけないかということが、現場のほうで判断できるような形にしたいと考えております。

●中村 いきなりこういったシステムを、現場の方に出して情報を収集してというと、システムは完成しても結局人との間が埋まらなければシステムは動きませんので、やはりその辺りは会社の中で意識を醸成していくということがすごく大事だと思います。ぜひ、しっかりと社長さんや社員の皆さんにもご協力していただき、成功させていただきたいと思っております。

>>>事例2.(株)オサシ・テクノス



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