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プラットフォーム 2008年6月号 No.249
バイオカーボ
高知県は、県土の約84%が森林です。海と山で自然に恵まれています。この資源を生かして高知県の活性化を図りたいと思います。特に未利用の木質資源を活用して、新たな産業を起こせないか何時も考えています。
私は、鉄の会社で石炭とコークスの研究を30年ほどやってきました。高知工科大学に来て、最初の大学祭で鉄の会社から来たのだからたたら製鉄をやれと言われました。多くの人に助けられて、たたら製鉄を行いました。そのとき大量の木炭が必要なことが判りました。石炭を蒸し焼きにしてコークスを造っていたのだから木炭くらいは簡単だと思いましたが、意外に奥深く今日まで続いています。
最初は、高知県立森林技術センターの炭焼き釜(土釜)を使って、親子炭焼き大会を何回か行いました。炭焼き名人が来て学生と一緒にやりました。一晩火をたいて、一週間後に取り出します。子供たちが来て炭を持って帰りますが、後には粉の炭が沢山残っています。炭は、畑にまくと良いとか家畜の脱臭に利くなどといわれますが、実際は持ってきたら使いましょう、わざわざ買いに来る気にはならないと言うことを思い知らされました。そこで、何とか買いに来てくれる炭、付加価値のある炭を造ることを考えました。その炭をバイオカーボンと名づけました。
最初に行った研究では、古紙から炭の鉢を造りました。この炭が意外に面白く軽量なのに強度があって植物やきのこなどが生育することを見出しました。古紙だけでなくおが屑や樹皮なども混ぜて植物などの栽培床に利用しようと考えています。この研究で、安価に炭を造ることが商品を作るうえで大切であることが判りました。従来の土釜や電気やガスで炭を造っていては、商品ができません。そこで木が炭になるときに発生する可燃ガス(水素、一酸化炭素、メタンなど)を燃焼させて、自己完結型で木炭ができないか考えました。その炉を開発して実際に木炭が製造できることを証明できました。
次に行った研究は、おが屑から備長炭のような硬い炭を造ることです。備長炭の原料はウバメガシです。これは大変緻密です。おが屑を圧縮成型して、密度が1以上の成型物を造りました。この成型物を上述の炭窯で焼きましたら密度が1以上の固い炭ができました。
燃えない炭にも挑戦しました。高知県は龍河洞で知られるように石灰の産地です。炭に石灰を混ぜて不燃のボードを造りました。このボードは炭と同じようにホルムアルデヒドやトルエンを吸着してくれます。
最近は、鋳物業界で使うコークスを木炭で代わりができないかに挑戦しています。うまくいくと高知発の新技術になるのではないかと期待しています。高知の企業と高知県工業技術センターと共同で研究しています。
高知の資源を使って高知の企業と新しい挑戦をしたいと何時も思っています。
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