私たちは、地域の企業を応援します。
財団法人 高知県産業振興センター
高知県中小企業支援センター
特集ペットビジネス
田舎も捨てたもんじゃないぞ
-田舎から都会への挑戦-

川村 幸雄 社長
土佐町田井に年間500軒もの犬小屋を全国に販売している工房があるのをご存じですか。
百姓をしながら田舎暮らしをしようと関西からUターンした川村氏が始めた「犬小屋工房K」。なぜ犬小屋?なぜ売れる?聞きたいことが山ほどあった。
きっかけは・・・
関西で住宅の営業・設計・施工管理していた川村氏がUターンして最初に始めたのはダムの流木アートの販売。これがうまくいかず、来年は戌年だから犬小屋はどうやろうと仲間が発想。きっかけはこんなことだった。
売れるモノには訳がある
どこかで聞いた言葉だが、なるほど納得。工房を訪ねてそう思った。住家にも使われている地元の嶺北産の杉を100%使用し、製作するスタッフは地元の大工歴30年から50年のベテランばかりとくればモノがいいのは当たり前。工房で見た実物は、犬小屋の概念を超えていた。昨年までの平均受注単価は6~7万円だったが、今年は10万円前後のモノがよく売れているという。これまでの製作数はのべ1800軒に達した。
最後の仕上げは家族で 楽しく
工房の魅力はそれだけではなかった。例えば夜泣きする犬のために遮音シートを施したものや老犬のため介護や掃除が容易にできるものなど、お客様の希望に川村氏のノウハウが加わった完全オリジナルの作品だ。お客様の希望を叶えてあげたい。その思いから、いつの間にか犬だけでなく猫、鳥、ウサギ、豚の小屋まで製作してきた。一度工房のHPを覗いてほしい。感謝の言葉と共に組み立て後の写真が現時点で約300件ほど寄せられている。「頼んだ訳ではないけれど、お客様が送ってくれる。こんだけ載せている人もいないんじゃないかなぁ。」
そして工房で出来上がった作品は、分解されてお客様の元に送られる。 愛犬の家づくりの最後の仕上げを家族の手で行うことの喜び、達成感を得ることができることも大きな魅力だ。しかも壊れたパーツだけを注文することも可能という。「自分で犬小屋を作る人も多いと思うが、自分では無理というレベルのものであれば買ってくれる。」と自信をのぞかせる。
やりとり
取材中に電話がかかってきた。話の内容から設計の相談だったと思う。後で聞いてみた。「例えば入口は真ん中とは限らない。左、右に寄っいることもある。犬の大きさによっては入口の高さを調整する必要がある。ネットでの販売は送って完結させることが大事。そのためには図面で何度もやりとりをする。田舎であっても厳しい社会に暮らす人を相手にする商売だ。『俺の作ったものが気に入らなければそれでいい』というようなやり方ではだめだ。」
これから
川村氏のもっと売りたいという思いは現在の状況に満足していない。新しい販路、新商品の開発を計画し今年、県の経営革新の承認を得た。
「田舎も捨てたもんじゃない。都会より面白いで」と取材中何度も口にしていた。都会からUターンした本人が言うのだから説得力がある。5年目を迎えた工房は平成20年7月に法人化し、今年の4月には新卒者を2名採用した。百姓をするために帰高したはずだったが、「最近は百姓をする時間がない。」と嬉しそうに話す川村氏の工房からはノコギリの音が嶺北の山に響いている。
