情報プラットフォーム 2010年2月号 No.269

トマト特集

建設業から農業の世界へ
業種の壁を超えて!

安芸市郊外の田園地帯に、ひときわ目立つ大型のハウス。ハッピーファーム(有)のミニトマト栽培施設である。面積は48aで高知市以東では県内最大規模だという。

ハッピーファーム(有)は、平成17年に、安芸市井ノ口のハギノ建設(株)が設立した会社で、補助事業を活用して平成18年度にこのハウスを建設し、「ハッピートマト」というミニトマトの栽培に乗り出した。

建設業から農業という異業種への参入を試みた同社の萩野裕章社長にハウスの中を案内してもらいながらお話しを伺った。

ハウスの中に入ると、直径2cmほどでやや細長い形の真っ赤なミニトマトが、広い敷地一杯、鈴なりになっており、まさに壮観。そのトマトの艶やかなこと、まるで赤い真珠という感じである。萩野社長にすすめられるまま、一粒口に含んでみた。「おいしい!」甘みが口中に広がり、酸っぱさがほとんど感じられない。もう一つと自然に手が伸びる味である。 萩野さんは父親から継いだハギノ建設(株)の社長でもある。実家は農業も営んでいて、もともと農業は好きだったという。公共事業の受注が大幅に減少したため、少しでも経営の助けになれば、というのが農業を始めるきっかけだった。義兄の川谷希明氏が経営する川谷農園(安芸市川北)から栽培方法の指導を受け、今期が4作目となる。

ハッピートマトの自慢は、なんといってもその味だ。従来のミニトマトの糖度が6~7であるのに比べ、ハッピートマトの糖度は10と格段に高い。「青臭さや酸味が少ないので、トマトの苦手な人にもたくさん食べてもらいたい」と萩野社長は言う。

年間の生産量は約30トンで、収穫時には9名のパート従業員がフル作業でひとつひとつていねいに摘み取っていく。収穫されたミニトマトは、サニーマートやフジなど県下スーパーマーケットや県外量販店の店頭に並ぶほか、インターネット販売も行われている。

一方悩みもある。果肉が割れやすいということだ。「ハッピートマトをおいしく食べてもらいたい。」ということから、完熟に近い状態まで十分に畑で熟させる。そのため実が割れやすく、その量は生産量の約2~3割にも及ぶ。なんとか、これを使って、ミニトマトのおいしさをより多くの人に伝えられる商品はできないかと考え、一昨年、トマトジュースを自社で製造し販売し始めた。  また、高知酒造(株)と提携して「ハッピートマトのお酒」というリキュールも開発、商品化した。昨年7月には、(財)高知県産業振興センターが募集した「平成21年度こうち農商工連携事業化支援事業」に採択され、ジュースの他、低温乾燥させたハッピートマトをつかったパンやゼリーなどの加工商品の開発にも挑戦している。

そんな萩野社長もわからないことがまだまだあるという。「建設業と違って、植物という生き物相手なので、勝手が全然違います。出来が良かった時と同じ作業をしても、結果が全く違うこともしばしばです。」という。建設業はすぐに結果がでるが、農業では利益が出るのに最低5~6年くらいはかかってしまう。それぐらいの長期で考えていかないと異業種への挑戦は難しいという。

それでも、購入されたお客さんから「おいしい!」という声を直接聞けるのは、建設業にはなかった喜びだ。 ミニトマトへの消費者の関心はいろんなところで増えてきていると萩野社長は感じている。ハッピートマトの酸味の少ないフルーティーな味が好まれて、東京の三つ星レストランからも注文があった。

今年は、龍馬伝がらみの催事も多い。県外の展示会やデパートにも積極的にアピールし、個人のユーザーも獲得していきたいと思っているとのこと。

「地道にお客さまを増やしていくことが結果的に近道かと思います。」萩野社長の挑戦はこれからも続いていく。

社長 荻野裕章さん
社長 荻野裕章さん
ハッピーファーム有限会社 〒784-0052
高知県安芸市井ノ口西杉ヶ久保
TEL 0887-34-1220
FAX 0887-34-1220
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