情報プラットフォーム 2010年3月号 No.270

平成21年度 第24回高知県地場産業大賞の受賞商品・活動

高知県地場産業大賞は、くろしお博覧会記念基金の運用益を基に毎年、販売実績を上げた製品や地場産業の振興に貢献のあった活動を表彰しています。今回は応募総数31件の中から審査委員会の審査により、地場産業大賞(賞金50万円)1件、地場産業賞(賞金10万円)5件、地場産業奨励賞7件、地場産業特別賞1件が選ばれました。

地場産業大賞

商品名:
スラリーアイス製造装置
企業名:
株式会社 泉井鐵工所 代表取締役 泉井安久
所在地:
室戸市浮津18
電話番号:
0887-23-2111
URL:
http://www.izuitekkou.co.jp/

受賞理由  同装置は、産学官で開発された、魚介類の鮮度保持に有効な、直径0.1~0.5ミリほどの微粒子の氷と冷海水が混じり合ったシャーベット状のスラリーアイスを製造する装置。世界初となる塩分濃度1%以下の塩水から製氷が可能で、魚介類を凍らせることなく、魚種ごとの凍結温度に合わせて鮮度保持に最適な温度のスラリーアイスを製造する。
 用途と設置場所に合わせて小型、中型、大型の3機種を取り揃え、また、同装置一式(製氷機・冷凍装置・貯氷タンク)の販売だけでなく、各組み合わせでの販売が可能なことから、よりユーザーにとって求め易くなっている。
 スラリーアイスは、微小な氷粒子のため魚体損傷が少なく、従来の砕氷に比べ冷却が早いため鮮度保持効果が高いことと、併せて全体に満遍なく氷粒子が行き渡るため、常に温度が均一に保たれる。また、流動性に優れ、使用場所へポンプで移送することが可能などの特長を有している。
 販売開始から平成20年度に4台、平成21年度に7台と売上げは順調に推移し、これまで県内外に販売してきた。
 現在、中土佐町の県産業振興計画の地域アクションプランにも同装置が盛り込まれており、新技術を活用して地産外商を推し進める試みが開始されている。また、他の地域においても実験機を導入し、特産物の商品価値を高め、漁業振興に取り組んでいる。
 1次産業の盛んな高知県において同装置の導入による魚介類の鮮度保持は魚価の向上につながり、水産業を支える生産者の所得向上が見込まれる。また、これまで近隣地でしか消費されなかった生鮮魚介類がスラリーアイスを用いることで遠隔地への出荷が可能となり、水産業振興を中心として地域産業の活性化への貢献が期待される点を高く評価した。

地場産業賞

商品名:
水循環式排水管清掃車
企業名:
兼松エンジニアリング株式会社 代表取締役 山口隆士
所在地:
高知市布師田3981-7
電話番号:
088-845-5523
URL:
http://www.kanematsu-eng.jp/

受賞理由  同製品は、道路の側溝や排水管渠内の土砂等堆積物の除去清掃作業に用いる高圧洗浄車、吸引作業車、散水車(給水車)が有する洗浄・吸引・給水の機能を1台に集約した車両。高水圧で排水管等を洗浄し、発生した泥水を吸引する。回収した泥水を凝集分離し、沈降汚泥を減容化するとともに洗浄水として再利用する仕組みになっている。
 従来の清掃車と同クラスの車両(8t車)のため、最小限の交通規制で作業が実施でき、作業の安全性向上と安全な交通を確保するとともに約30%の施工コスト縮減が可能となった。また、タンク内に泥水と洗浄水を隔離する移動式隔壁を装備しており、水の補給回数を1/3と省資源化している。
 主な販売先は国土交通省で、価格は、従来の専用車3台分を購入する価格を超えない価格に設定されている。
 経費削減やリユースを進めたい社会的要請に対応できた製品であり、水循環、泥水処理などの高い技術力とその先進性は素晴らしく、また、価格面でも優位性を保ち、今後の成長に期待が持てる点を評価した。


商品名:
スーパーアドオンミキサー ミニ
企業名:
株式会社 刈谷鉄工 代表取締役 刈谷正二郎
所在地:
南国市岡豊町中島366-1
電話番号:
088-866-3055
URL:
http://www.kariya-tekkou.com/

受賞理由  同装置は、廃プラスチック等を破砕し、減容・造粒する、小型で移動可能な一体型装置。廃プラ処理会社の造粒技術、設計会社の設計技術、同社の開発・製造技術の連携によって開発された。
 フィルム等の廃プラを約1/30までに減容し、粒径5mm程度に造粒出来るため、廃棄物の再資源化の効率化が図られる。また、既存の廃プラ等の処理装置は、産廃処理工場等に設置され、破砕と造粒が別々の大型装置であったのに対し、同機は、破砕と造粒の別機能を小型一体化したことで移動を容易とし、廃棄物発生現場での破砕と造粒の処理を可能とした。
 販売面もこれまで6台を納入、6台を受注するなど順調で、また、各業者から他の素材の破砕・造粒の相談や処理テストの依頼が寄せられ、実用化へ試験を行っている。
 装置をコンパクト化し、現場処理を可能とさせた革新性や、その機能と技術力の評価は高く、また環境対策として時代の要請に応える装置で、今後の成長性も含めて評価した。


商品名:
マスク用バイオフィルター イン・ガード
企業名:
くじらハウス株式会社 代表取締役社長 小笠原豊
所在地:
高知市はりまや町1丁目5-16
電話番号:
088-854-6688
URL:
http://kujira.open365.jp/

受賞理由  同商品は、産学官で共同開発された、抗菌・消臭・抗酸化の機能を有する不織布製のマスク装着用フィルターで、市販のマスクに挟んで使用する。1日1枚の使い捨てで、マスクは繰り返しての使用が可能であり経済性が高い商品に出来上がっている。
 不織布に抗菌・抗酸化作用があるプロアントシアニジンとトレハロースを混ぜ塩類を入れて塗布することで抗菌・消臭・抗酸化の効果が生まれる。
 販売価格は315円。平成21年6月から販売開始で半年間で約5,000袋、約1,570万円の売上げを計上し、今後も安定した需要が見込まれている。
 経済性に優れ、製品の品質への評価も高く、また、これまでの販売実績から販路拡大がより一層期待される点を評価した。



商品名:
芋焼酎(すくもの芋・ざまに)
企業名:
株式会社 すくも酒造 代表取締役 住岡栄作
所在地:
宿毛市松田町7-2
電話番号:
0880-63-3830
URL:
http://www.4riki.com/cont/sukumosyuzou/index.html

受賞理由  同商品は、地元宿毛市の耕作放棄地等を活用し栽培した芋(黄金千貫)を原料として造った本格芋焼酎で、平成20年に焼酎製造工場を新設し、平成21年6月に製品が完成し販売を行っている。
 原料の産地であることを活かし、朝掘った芋をその日の昼間のうちに仕込むことによって芋の酸化を防ぎ、芋本来の旨味を引き出している。割り水には地元の名水(超軟水)を使用することによって原酒の旨味を活かしている。また麹米には、食の安全性を追求し国産米を使用している。
 販売開始から半年間で県内外に約21,000本、約1,700万円の売上げを計上しており、農家の所得向上や休耕地の活用、雇用確保につなげる今後の取り組みが期待されている。
 耕作放棄地解消への着眼点や同商品が原料生産から製造までの一貫体制を築いた、地域を挙げての取り組みによって開発されたことを評価した。



活動名:
幡多地域の情報誌「はたも~ら」の発行及びWebサイト制作運営
企業名:
有限会社 せいぶ印刷工房 代表取締役 大塚和助
所在地:
四万十市十市荒川1039-6
電話番号:
0880-37-2000
URL:
http://www.seibu-p.com/index.html

受賞理由  同社は、幡多地域を元気にしたいという思いで平成17年から無料情報誌「はたも~ら」の発行と併せてWebサイトで幡多地域内外に向けて幡多地域の様々な情報を発信している。
 同誌は、幡多地域や周辺地域限定の情報を載せて、お店にとっての広報機能、読者にとっては幡多地域のお店や観光スポットなどの情報を得られる機能を有した、双方にとってメリットのある地域密着型の情報誌になっている。
 発行以来、毎号30,000部を発行し、平成20年から同誌を年4回の季刊誌として内容を充実させ、幡多地域及び近隣地域(須崎市の道の駅~宇和島)の約500箇所で配布している。毎回多くの読者からアンケートが寄せられるとともに毎号100社程度のスポンサーが活用してくれている。
 Webサイト、携帯サイトのアクセス数はともに月1万件を超え、県外の観光客を誘引し、観光産業の活性化に役立っている。
 幡多地域の情報発信ツールとして大きな力を発揮し、地域活性化に貢献するとともに地域産業の振興にも寄与するなど、その取り組みを評価した。

奨励賞

商品名:
アッ!!みーつけた!
「ミレービスケットと芋けんぴ」ペアーパック
企業名:
株式会社 アミノエース 代表取締役 吉野和守
所在地:
高知市大津乙1902-3
電話番号:
088-866-3010
URL:
http://www.aminoace.com/index.php

受賞理由  同社は、(有)野村煎豆加工店の「ミレービスケット」と澁谷食品(株)の「細切り芋けんぴ」を一つの商品で二つの味が楽しめるようにペアーパックにした商品を企画化した。
 パッケージデザインはやなせたかし氏が制作し、オリジナルのテーマソングのCDを幼稚園などに配布して、歌や踊りなどを楽しんでもらうようなPR活動も併せて行っている。
 二つの企業の主力商品をペアーパック化させ、一つの商品として商品化することで互いの販路を活かすなどの相乗効果をもたらし、販売実績も着実に伸びている。
 他の企業の商品をペアーパック化するという企画には独創性があり、パッケージを含めた商品力・販売戦略・成長性を評価した。



活動名:
シイラを活用した地域の新産地化活動)
企業名:
興津漁協四万十マヒマヒ丸企業組合 企業組合代表 徳弘伸一
所在地:
高岡郡四万十町興津1930-2
電話番号:
0880-29-5811
URL:
http://mahimahimaru.com

受賞理由  同組合は、同地区の地域資源であるシイラを1.5次、2次製品として供給することで価値を更に高め、新たな地域資源の産地として地域の活性化を目指すため、生産・食品加工・PR・販促活動を含めての活動に取り組んでいる。
 2次加工については、シイラバーガーなど約10品目に上る加工品をイベントなどで販売し、シイラの普及を目的としたPR活動を行っている。1.5次加工については、須崎市の水産加工会社と連携し、収益に繋げる取り組みを行っている。また、水産加工会社ではシイラの練り物専用ラインを増設する計画もあり、今後の組合員の所得向上や雇用の拡大、浜値の上昇などが期待されている。
 漁獲量が豊富でありながら高付加価値化への取り組みが遅れていたシイラという地域資源に着目し、新たな地場産品創出と新産地化活動により地域の活性化を図ろうとする点を評価した。



商品名:
KARAYAN(カラヤン)
企業名:
企画・ど久礼もん企業組合 代表理事 川島昭代司
所在地:
高岡郡中土佐町久礼6530
電話番号:
0889-52-3822
URL:
http://www.dokuremon.com/

受賞理由  同商品は、高知県産大豆で地元の女性の方々が作った味噌に、鰹の焼き節と地元産の唐辛子や野菜を入れて焼き上げた、辛みそ・激辛みそ・山椒みその3タイプのおかず味噌。
 「かつおの國中土佐町」を全国にPRするために、鰹をはじめ野菜もできるだけ中土佐町で生産されたものを使用し、地元にこだわった商品を開発した。
 発売以来、全国規模のコンクールで受賞するなど評価は高く、バイヤーやデパートなどから問い合わせも多く、反響が大きい。
 味・デザインを含めて商品力があり、また、地元の素材を通じて地域活性と商品開発を結び付けた取り組みの面も評価した。



商品名:
SF工法(スピードフォーム工法)
企業名:
有限会社 創友 代表取締役 宮崎 洋一
所在地:
高知市知寄町3丁目209
電話番号:
088-878-1322
URL:
http://www.soyu-ec.co.jp/

受賞理由  同社は、土木工事で利用されるコンクリート擁壁の施工時に、収縮クラック防止の目的で設けられる目地材(エラスタイト等)を止める埋設永久型枠とその工法を開発した。
 埋設永久型枠の主要部となるスレートボードは(株)タムテックで製造されたもので、打設コンクリートと同等以上の強度性能を有しており、このスレートボードと施工方法との組み合わせにより、これまでの木製の止型枠を設置し、コンクリート硬化後脱型し目地材を貼り付けなければならなかった作業を全て一緒に施工が可能となり、大幅な工期短縮とコスト縮減を実現した。
 一般的な建設工事のコンクリート構造物においては全て利用できる工法であり、広範囲での利用が期待されるとともにスレートボード及び工法の両面から素材開発と併せた技術開発力及び商品力を評価した。


商品名:
“モーションパック”シリーズ
IMP(インテリジェント・モーションパック)
MP・NEW(モーションパック・ニュー)
企業名:
株式会社 大進商工 代表取締役 川崎 修
所在地:
南国市岡豊町中島391-5
電話番号:
088-866-4681
URL:
http://www.daishin-kochi.co.jp/

受賞理由  同社は、油圧システムを構成するポンプ、バルブ、シリンダーを一体化し、単体で動力発生が行える機能を有した油圧動力装置をMPシリーズとして確立し、同シリーズに加えてユーザーの要望に基づき新たにIMPとMP・NEWを開発した。
 同シリーズの共通した特長である、省エネルギー性能、環境負荷の低減、コストの低減、シリーズ(標準)化による製造コストの削減に加えて、IMPは任意位置や速度の制御が行え、MP・NEWは、シリンダ-部分の強度を強め、可動範囲を拡大し、ユーザーがシリンダ-の伸縮に合わせて、加減速度の切換が可能となっている。
 同社の継続的な開発努力により、これまでユーザーの仕様に合わせて、その都度製作されてきた油圧機を完成された部品として、それぞれのユーザーにとって最適の油圧システムを提案することが可能となった。
 油圧システムの一体化により用途が広がることから、今後の成長性を期待するとともに長年の企業努力と高い技術力を評価した。



商品名:
新PW(パーフェクトウォール)
企業名:
株式会社 BRC高知 代表取締役 斉原正
所在地:
高知市薊野西町1丁目1-10
電話番号:
088-845-8582

受賞理由  同社は、発泡ポリスチレンで作ったコンクリート打設用型枠兼用断熱材「新PW」を開発した。
 同製品は、コンクリート壁の両面に断熱材を貼りつけ断熱・防音効果等を高める両断熱工法に使用されるもので、施工に技術を要する旧型PWの取り付け構造に改良を加え、施工を簡略化することによって工期の短縮につながった。
 同製品の使用により、両断熱工法の施工性が向上することで、これまで以上に同工法の普及が期待され、その将来性を評価した。



商品名:
プラスチック圧縮梱包機
企業名:
株式会社 ユイ工業 代表取締役 岩崎 淳
所在地:
高知市一宮南町1丁目8-37
電話番号:
088-845-1017
URL:
http://www.kochi-bank.co.jp/ksc/007/yui.html

受賞理由  同機は、プラスチックごみを圧縮減容し、ロール状に巻かれたポリ原反から作ったポリ袋に押し込み、外周をPPバンドで結束するまでの全工程を自動で行うプラスチック圧縮梱包機。
 高圧でプラスチックごみを圧縮することにより圧縮密度を高め、成形ベール数の低減、保管スペースの減少、運搬効率の向上などからランニングコスト削減を実現した。また、梱包用ポリ袋を特注の既製品を使用する方式からガセットロールを使用することにより消費材の費用を削減した。
 工程が一体化でき、機能面でも優れた、時代の要請に応える製品であり、環境産業への着目と高い技術力に加えて、その将来性を評価した。


特別賞

活動名:
栃っ子のゆずプロジェクト
企業名:
高知県立大栃高等学校 校長 吉村洋二
所在地:
香美市物部町大栃1926
電話番号:
0887-58-2204
URL:
http://www.kochinet.ed.jp/odochi-h/index.html

受賞理由  同校は、平成22年3月に閉校するにあたり、「何か地域貢献できることはないか」「物部の地に大栃高校があった証を残したい」との思いから、同校の家庭クラブの活動として、地域の特産の柚子を使ったお菓子を研究、考案し、レシピ集としてまとめ、地域の多くの人達に広げる活動を行っている。
 現在までに、ドラ焼きなど柚子入りお菓子を考案し、32品に上るレシピ集を作成し、地域の人達に活用してもらうため、市役所やスーパーなどで配布の他、香美市の広報紙の折り込みにレシピ掲載などのPR活動を行っている。また、JA土佐香美と連携し、地域のイベントなどで販売活動を行う他、保育園・小中学校とも連携し柚子のお菓子を通じて交流を深めた。同校の閉校後は、物部町婦人会が同クラブの活動を受け継ぐこととなっている。
 同クラブの取り組みは、地元産の柚子を使ってそのPRを行うだけに留まらず、高校生達が地元の人々にこれまで手薄だった柚子の加工に着目させ、地域ぐるみの運動として地域興しのきっかけを作った取り組みを評価した。