情報プラットフォーム 2010年3月号 No.270

よくわかる税務Q&A

役員の社葬費用について

Q

死亡した前社長(現社長の父親)の社葬を行いましたが、社葬費用を会社が負担した場合には、税法上どう取り扱うのでしょうか。また、参列者が持参した香典を現社長が受け取った場合、給与支給として取り扱われるのでしょうか。

A

社会通念上社葬を行うことが相当と認められる場合には福利厚生費とすることができます。
この場合に参列者が持参した香典は法人の収益に計上する必要はなく、社長に対して給与を支給したことにはなりません。

解説
社葬費用

 社会通念上(社葬する法人の規模や故人の経歴、地位、その他の事情などからみて)社葬を行うことが相当であると認められる事情があるか、ないかで取り扱いが変わってきます。

 社葬費用は、法人の福利厚生費として法人税法上の損金の額に算入することができます。その場合は故人の個人的関係者に対する所得税の課税関係は生じないものと考えます。

●社会通念上相当と認められる場合

 社葬費用は、法人の福利厚生費として法人税法上の損金の額に算入することができます。その場合は故人の個人的関係者に対する所得税の課税関係は生じないものと考えます。

 しかし、社葬のために通常要する費用を超えて法人が負担した額や、遺族が個人的に負担するような費用(例えば、密葬の費用、墓石・仏壇・位牌の費用、墓地の購入費用や永代使用料、法要に要する費用や香典返れい費用など)は、故人の遺族に対しての贈与(遺族が役員又は使用人である場合は賞与の支給)をしたものとして取り扱われます。

●社会通念上相当と認められない場合

 社葬費用は、遺族が役員又は使用人である場合はその遺族に対して給与(賞与)を支給したものとして、所得税の源泉徴収の対象となります。遺族が、役員や使用人でない場合は、その遺族に対する贈与として、遺族の所得税法上の一時所得となります。

香典

 香典は、遺族に対する弔意のしるしとして故人の霊前に捧げるものですから、法人の収益には計上せず、遺族の収入とすることができます。

消費税関係

 支払った香典料は、課税仕入れに該当しませんが、社葬の際の会場の使用料、購入した花輪の費用や新聞広告料等は課税仕入れに該当します。

 ただし、役員又は使用人が個人的に負担すべきものを、法人が負担したことにより給与課税が行われた場合には、課税仕入れには該当しません。