情報プラットフォーム 2010年8月号 No.275

よくわかる税務Q&A

災害等にあったとき

Q

私はサラリーマンですが、給与所得者でも災害を受けたとき、所得税での配慮があるのでしょうか。

A

 万が一災害にあって損害を受けた場合は、所得税の確定申告を行うことで所得税法の雑損控除又は災害減免法の適用を受けることにより、所得税の全部又は一部を軽減することができます。

●所得税の全部又は一部の軽減(確定申告)

 地震、火災、風水害などの災害によって、住宅や家財などに損害を受けたときは、確定申告で(1)「所得税法」に定める雑損控除の方法、(2)「災害減免法」に定める税金の軽減免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の全部又は一部を軽減することができます。これら2つの方法には、次のような違いがあります。

  (1)所得税法(雑損控除) (2)災害減免法
損失の発生原因 災害、盗難、横領による損失が対象となります。 災害による損失に限られます。
対象となる
資産の範囲等
生活に通常必要な資産(住宅、家具、衣類など)に限られます。
(棚卸資産や事業用の固定資産、山林、生活に通常必要でない資産は除かれます)
住宅や家財。ただし、損害額(保険金などにより補てんされる金額は除きます)が住宅や家財の2分の1以上であることが必要です。
控除額の計算
又は
所得税の軽減額
控除額は次の〈イ〉と〈ロ〉のうちいずれか多い方の金額です。
〈イ〉 差引損失額-所得金額の10分の1
※差引損失額=損害金額-保険金などの補てん金額
〈ロ〉 差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円
※災害関連支出=災害により滅失した住宅、家財を除去するための費用など
その年の所得金額 所得税の軽減額
500万円以下 全額免除
500万円超
750万円以下
2分の1の軽減
750万円超
1,000万円以下
4分の1の軽減
参考事項 ●災害等に関連してやむを得ない支出をした金額についての領収書を確定申告書に添付するか、確定申告書を提出する際に提示することが必要です。
●損失額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれない金額は、翌年以後3年間に繰り越して各年の所得金額から控除できます。
●原則として損害を受けた年分の所得金額が1,000万円以下の人に限ります。
●「損失額の明細書」を確定申告書に添付することが必要です。

注:生活に通常必要でない資産とは、別荘や競走馬、1個又は1組の価額が30万円を超える貴金属、書画、骨とう等をいい、これらの資産についての災害等による損失は雑損控除の対象とはなりませんが、その年か翌年に総合課税の譲渡所得があれば、その所得から控除できます。

●予定納税額の減額・源泉徴収の徴収猶予など

 所得税法や災害減免法による所得税の軽減免除は、最終的には、翌年の確定申告で精算されますが、災害等が発生した後に納期限の到来する予定納税や給与所得者の源泉所得税などについて、確定申告の前にその減額又は徴収猶予などを受けることができます。

国税に関する情報は、国税庁 ホームページ http://www.nta.go.jp をご覧ください。