公益財団法人高知県産業振興センター 高知県中小企業支援センター
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なぜ四国に関東の三波川があるのか
山田から、国道195号線と土讃線を陸橋で越える農免道路を南へ、なはり線の高架が近づくと道路左側に、中国四国農政局高知三波川帯農地保全事業所の立て札がある。登山で秩父山地を何度も訪れたことがあり、御荷鉾(みかぼ)山、三波川などの地名は記憶に残っている。だから 「四国には別な三波川があるのだろうか」と不思議に思えたのである。
三波川は、秩父の利根川支流の名称であり、また集落の名前でもあること、同じ地質が四国にも続いていること、崩壊を起こしやすい地層であること、そのための農地保全の対策が必要なことが分かってきた。折しも、「室戸ジオパーク」の活動が報道され、「仁淀川・四国カルストジオパーク」に特別の関心を持ち、活動に関わるようになってきた。
地質学を取り付き難くしているのは専門用語である。地域の地名の付いた地層を示す術語、地質時代を示す術語、岩石の名称の術語、そして生成過程を表す術語は馴染が薄くなっている。四国を事例とすれば、地層が東西に帯状であること、身近な地名が多いことなど近付きやすいと考えた。
領家は静岡県天竜川の支流水窪(みさくぼ)川沿いの奥領家による。黒瀬川は愛媛県西予市城川町(旧黒瀬川村)を流れている。三宝山は龍河洞スカイラインの南端にある。仏像構造線は土佐市仏像に由来する。四万十帯は四万十川であり、中筋は宿毛市、安芸は安芸市である。北部には関東地方の地名、南には四国の地名が使われているのは興味深い。
御荷鉾構造線は「線」と言うよりは緑色岩類(帯)としてレンズ状に幅を持つ部分がある。一方で、黒瀬川帯は「帯」としては幅が狭く、秩父北帯と三宝山帯を分ける境界線的性格がある。両者とも地質図上では断続的である。フィリピン海プレートが沈み込む南海トラフでは、プレート上の堆積物が皺寄せのように重なり南海付加体を作っている。この付加体には、メタンハイドレート、泥火山、熱水鉱床、コバルト・リッチ・クラストなど鉱物資源が大量に眠っている。しかも土佐湾沖なのである。眠りから覚めるときは何時?


