情報プラットフォーム 2011年6月号 No.285

特集 お茶関連産業

香り高いお茶を地域とともに
 「りぐり山茶」のチャレンジ
国友農園 国友商事株式会社

はじめに

高知市から北西に1時間。西日本の最高峰、石鎚山系から流れ出る仁淀川の中流「いの町」(旧吾北村)に国友商事はある。建設業、林業、そして農業に取り組む企業である。

新緑の美しい仁淀川のほとりに建つ本社で、国友昭香社長にお話を伺った。

事業継承

建設業を中心に地域に根ざした事業を展開していた国友商事の故国友博昭前社長の後を受け、平成10年に昭香さんが会社を継ぐことになった。昭香さんは、神戸でアパレルの企画関係の仕事をなさった経験がある。

「何に取り組もう?」そう考えた昭香社長に「建設業の仕事がない4月~6月頃仕事ができるようにお茶をやろう!」・・・・博昭さんの話していた言葉が蘇った。

おいしいお茶を求めて

お茶に取り組むと決めた昭香社長は、全国のお茶を取り寄せるなど研究を始めた。マーケットリサーチの始まりだ。

「やるからには売れるものを!」競争の激しいアパレル関係で商品企画を担当していた昭香社長の「お客様に価値を認めてもらうための知識と経験」が生きた。

「この地域は、もともとお茶の産地。高知のお茶、特に吾北のお茶の香りは、高い評価を受けている。このお茶を個性ある商品に仕上げたい」。美味しいお茶の探求は続いた。地元の人々は、昔から山茶を釜炒り茶として飲んでいる。ヤブキタを使った蒸し茶が中心の中で一つの個性が出せるが・・・地元で飲まれている釜炒り茶は、いってみれば番茶のようなもの。このままでは、お金を払ってもらえない・・・・・。

洗練されたお茶を目指した探求心は、良いお茶を求めてお茶の本場、中国行きも決行させることになる。

国友農園のお茶

中山間地域で、他の産地の商品と競争できる商品を作るにはどうすれば良いか?お茶の個性と香りを大切にするには・・・・・。考え抜いた国友農園の結論は、地域に自生する山茶を釜炒り茶として提供すること。その名もずばり「りぐり山茶」。お茶の栽培から製茶までりぐり抜いたお茶である。

  • 栽培は、有機無農薬にこだわる
  • お茶の木にとって環境の良い山間の木陰での栽培
  • 収穫は手作業

お茶にとっては良い環境だが、働く人間にとっては厳しい環境である。

一級土木施工管理技士も管理

生の茶葉から釜炒り茶を作る作業は、とても神経を使うという。

茶葉の状態は、毎日違う。自然の山茶は、それぞれの木に個性がある。収穫時の気温や天候で茶葉の状態は変わる。

その日、その場所のお茶にあったものとするため、自動化はおこなわず、人間がお茶と会話しながら釜炒りの時間を決める。熱さと戦い、やけどしながらの最適な時を見つけていく。

製茶を担当している一級施工管理技士の方に、「一年中お茶を作ると、とても大変!」こう言わせるだけ、製品へのこだわりと愛着がある。

こうして栽培から製造過程まで一つひとつにこだわった、真にりぐったお茶が誕生する。

多くの人々に助けられて

ここまでこだわると販売もさぞ大変ではと心配してお聞きしたが、「多くの人に助けて頂いて、販路開拓では、あまり苦労しなかった」という。

地元のお茶問屋の方から、問屋を通さないで販売した方がよいのではといったびっくりするようなアドバイスを頂いたり、著名な方のブログに紹介して頂いたり、口コミでファンができたり・・・」。りぐった分、こだわりのある方々に受け入れられたということか?

もちろん、昭香社長のネットワークと行動力があってのこと。これはいうまでもない。

ホームページには、国友農園のお茶を取り扱っているお店の紹介もある。

美味しくお茶を楽しんでもらえるよう、商品をおいて頂くお店にもこだわっているという。

これからの夢

農山村は、季節にあわせて生活してきた。まさにロハスな生活。しかし、残念ながら雇用の場が少ない。地域が良くなれば自分の会社も良くなるとの発想で地域の取り組みにも力を入れている。

地域の方々と連携して「やまのそらびと」として新しい取り組みもはじめている。「かえっておいでよ故郷に!」「生まれ育ったところで仕事をしたい。そんな人々がまだまだいる。そうした声に応えていきたい。」と力強い。

※りぐる 土佐弁で「こだわった」というような意味

国友農園 国友商事株式会社

☎ 088-867-2544 ■所在地/〒781-2321
吾川郡いの町小川東津賀才206-2
■FAX/088-867-2328
■e-Mail/kogyokai@ceres.ocn.ne.jp
■URL/http://www.kunitomo-f.co.jp/