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財団法人 高知県産業振興センター
高知県中小企業支援センター

2011年3月号 No.282
センター職員のひとり言
「花に嵐…」
この時期になると、拙宅近くの久万川の土手沿いの柳が少し芽吹きだす。柳を見て、ふと、春の兆しを感じる。柳を透かした向こうの風物に、心なしか、薄緑のフィルターがかけられているように思えるからだ。芽吹いた柳に風が描く曲線が、いかにもなまめかしい。2、3日の陽気が、金曜日(2月11日)は、また冬に戻った。恋心をじらすように、行きつ戻りつしながら、春は近づいてくる。どっと南風が吹き込んだかと思うと、手のひらを返したように、雪、みぞれを降らせたりもする。
春といえば、怠惰な気分を連想させるのだが、春の訪れは、実は激しく、気分屋で、男性的だ。ある日、砂塵を巻き上げて、その来訪を予告する。これは温帯の国に共通する特徴のようで、イギリスには、「雪の1月、氷の2月、風の3月」という歌もある。また、「春は獅子のように来て、子羊のように過ぎていく」ということわざは、我々にも親しみがもてる。陰と陽の両極にある冬と夏がぶつかり合う、春の激しさをいっているのだろう。
温和な春を不穏な春がかき乱す。「月にむら雲、花に嵐、思うに別れ、思わぬに沿う」とは、世のままならぬさまを例えたものだが、春の訪れもまた、ままならないもののようだ。
花屋の店先には、菜の花、チューリップ、ひなげし、すいせん、スイトピーの色取りが鮮やかで美しい。天地は冴え返り、冴え返りつつ、春に向かってゆっくり動いている。
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