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タイトル
 
ZnO-TFT技術の開発

〜高信頼性化技術の進展とフレキシブルディスプレイ向けTFTの開発〜

 液晶ディスプレイの駆動素子として一般的に用いられている非晶質シリコン薄膜トランジスタ(a-Si:H TFT)に代わる、次世代高性能薄膜トランジスタとしてZnO-TFT の開発を行っています。
平成17年度開発したトップゲート構造ZnO-TFTにてa-Si:H TFTの50倍以上の移動度50.3cm2/V・secを実現し、61,600 画素をZnO-TFT にて駆動する液晶ディスプレイの画像表示に世界で初めて成功しています。本研究の成果はディスプレイ分野における世界最大の国際会議SID'06にてDistinguished Paper Awardを受賞する等、国際的に高い評価を得ています。
 平成18年度はZnO-TFTの事業化に不可欠な信頼性技術の確立に向けた研究開発を推進し、実用化への最大課題である閾電圧変動の要因分析を行い、見通しを得ることが出来ました。さらに、フレキシブルディスプレイ実現に向けた低温形成ZnO-TFTの研究をスタートしており、最高温度150℃にて移動度10cm2/V・secを超えるZnO-TFTの試作に成功しています。
 今後はTFT の信頼性や特性分布の改善を行い、ZnO-TFT を用いたデバイスの早期事業化を目指すと同時に、ZnO-TFT の持つ潜在的ポテンシャルの応用分野として、フレキシブルディスプレイの研究を推進します。
次世代透明導電膜技術の開発
〜膜厚 100 nm 以下での低抵抗率を実現:抵抗率 4.4 μΩm(膜厚 30 nm)〜
 基板(ガラス)を製膜中に搬送、連続製膜を可能とする、生産ラインへの完成を意識した反応性プラズマ蒸着法(RPD)を用いて、酸化亜鉛(ZnO)透明導電膜の低抵抗実現を目的とした研究開発を行っています。
 平成16 年度は、ZnO薄膜におけるミクロ構造とマクロ特性(電気特性、光学特性)との関係を明白にするといった基礎研究を実施し、その結果、平成17 年度は、厚い膜厚(> 500 nm)領域で抵抗率 1.8 μΩm、シート抵抗 〜 3 Ω /□ 、可視光領域平均透過率 85 % 以上の透明導電膜の実現を十分な生産性(製膜速度、大面積化)を確認した上で可能にいたしました。
 平成18 年度は、これまでの厚膜知見をプロセス開発に活かすこと、および 200 ℃基板製膜条件下でのガリウム(ドナー元素)添加量と製膜パラメータとの最適化を組み合わせた製膜を実施したことで、国内外で達成できなかった数 10 nm 領域での低抵抗率実現となりました。右図はガラス基板(基板温度:200 ℃)上製膜での抵抗率の膜厚依存性を示した図です。
電界電子放出型光源技術の開発
〜ナノダイヤモンド電子放出素子により高効率面光源を実現〜
 電界電子放出特性に優れたナノダイヤモンドとカーボンナノウォールの複合構造膜(ND/CNW:Nano-diamond / Carbon Nano-wall)を均一に成膜する技術を開発し、これを用いた電界電子放出型光源(FEL:Field Emission Lamp)に取り組んでいます。FELは、真空中で加速された電子により蛍光体を励起することで発光を行うため、蛍光灯のように有害な水銀を必要としません。また、FELの特色として、発光効率が高いこと、広い面発光を容易に作り出すこと、蛍光体の選択により発光色を自由に変えることができること、低温で発光できることがあげられます。
 現在は、FELの実用化技術の開発に取り組んでおり、今までシリコン単結晶基板にしか成膜できなかったND/CNW膜を、基板前処理技術を改善することで、金属基板上にも成膜することに成功しています。これによりND/CNW電子放出素子の製作コストを大きく下げることができるだけでなく、素子の光源容器内への実装が、容易で確実な溶接によって行えるようになりました。

高知県産業振興センター