事業戦略 ー策定の手引きー

I 今なぜ「事業戦略」が必要なのか?

I-1 「事業戦略」は何のために必要か

事業戦略がある会社

1.従業員に「経営者の意志」を伝えることができる

皆の心に、未来はこうなるんだな、という映像が浮かびます。目指す姿が明確で、そこに至るまでの道筋が見え、どこまでそれに近づいているのかが共有されることで会社は一丸となることができます。

2.働きやすい職場・従業員満足につながる

経営者と次代を担う従業員の方が一緒になって事業戦略を策定することで、会社の目指すものと、自分の目指すものを重ね合わせ、従業員と経営者が同じ方向を見つめながら、前向きにチャレンジすることができます。これにより、必然的に働き方などの本質的な改革につながり、結果的に会社全体の生産性の向上にもつながるでしょう。

3.限られた経営資源を最大限に活かせると共に、会社の外部の支援者に「あなたの会社の戦略」が伝わる

金融機関や投資家によるあなたの会社の理解が深まり、資金調達にもつながりやすくなります。産官学民との連携が深まり、県内外への営業や研究開発につながります。つまり、限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最大限に活かすことができます。

4.人材確保・事業承継においても有効である

会社の近未来像、目指すべき姿が明確に示されていることで、あなたの会社の理解が深まり、優秀な人材が興味を持ってくれるはずです。この点は事業承継にも重要です。

事業戦略がない会社

会社の進むべき方向が会社全体に伝わらない

あなたの会社はどこに行くのでしょうか?行き先不明で舵取り不能な会社はどうなるでしょうか?限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)が分散してバラバラに動くことで、無駄が多くなります。

経営者
「わかっているだろ?」
従業員
「会社が何をどうしたいのかわからない、そして自分が何をしたらよいのかわからない。」

例えば、自分の好きな人に何も話せず思いが伝わらず、離れてしまった苦い過去を思い出してください。また大海原で羅針盤もなく漂流する一隻の船を想像してください。

つまり、「事業計画」は、
「あなたの会社が生き残り、発展する」ために必要なのです。

I-2 「事業戦略」の策定時とその後の意義

「事業戦略」の策定を“時系列”で見ると、策定過程では、思考を深めるための道具になります。また、策定後は、事業実現までの地図であり、社内外とのコミュニーケーションの道具にもなります。

I-3 「事業戦略」の策定過程(実際にあなたの会社で作る場合のスケジュール)

例えば、4ヶ月程度で以下の内容を実施し、完成したら、社内(および社外)に発表しましょう。

スケジュール内容あなたの会社で取り組むべきこと
初回
事業戦略シートの理解策定を社内に伝え、これから検討するメンバーを決定(経営者のほか、各部署から若手社員も含め手配)
1ヶ月目
現在の姿の洗い出し自社の事業領域の整理、自社を取り巻く外部環境、内部環境(顧客別製品別売上と原価など)のデータを収集
2ヶ月目
5年後のありたい姿とそれまでの業績目論見の導出どうありたいのか、現状を踏まえて書き出すと共に、売上・営業利益などの数値目標を設定
3ヶ月目
実現するための課題設定ありたい姿を実現するための課題を設定し、各組織(人)別に落とし込む
4ヶ月目
微調整~完成全体をチェック、適宜修正・加筆し、完成させる
実行